北朝鮮は長距離弾道ミサイルの発射期間を22日(2012年12月)までから29日までに1週間延長したが、どうやらミサイルは発射台から取り外されたようだ。簡単な修繕では済まず、設計上の重大な問題があると見られていたが、「朝ズバッ!」の番組が終わってから1時間半後に発射の速報が流れた。
年内発射にこだわる金正恩の事情
進行役の井上貴博アナウンサーはこう伝えた。「発射期限を22日から29日まで延長すると発表したのはおととい10日のことです。1段目ロケットに技術的なトラブルが生じていたからだとしていましたが、きのうになって、韓国政府筋の話として、ミサイルはすでに発射台から取り外され、3段目まで分解されたと報じられました。1段目のエンジンはテポドンを4本組み合わせたものと見られ、その制御には高度な技術が必要とされていました」
今年4月に発射に失敗したときのミサイルは発射台に剥き出しで取り付けられていたが、今回はミサイル全体がシートで覆われ、外から見えないようにされていた。軍事ジャーナリストの恵谷治氏は「それほどの大きなトラブルが生じていたなら、普通は半年後とか1年後まで発射を延期するものですよ。それを急いで分解してまた発射させようという背景には特別な何かがある」と説明する。北朝鮮情報に詳しい毎日新聞の鈴木琢磨編集委員は「現在の北朝鮮は合理的な判断では動いていない。すべてが政治日程優先。今年は金正恩氏が提唱する強盛大国の1年目で、その締めくくりとして、何としても年内に打ち上げたいという思いがあるのではないですかね」と見る。
1発800億円!北朝鮮国民のトウモロコシ1年分
司会のみのもんたが「国民は疲弊しているのに、なぜここまでミサイル打ち上げにこだわるののでしょうかねえ」と嘆くと、コメンテーターの逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)は「北朝鮮の経済規模は韓国の30分の1といわれ、年間2.5兆円と見られています。このなから、たった1回のミサイル発射で800億円以上が費やされます。これほどの無駄遣いはありませんよ」と語った。
井上「今月30日で金正恩氏が軍最高司令官に就任して1周年になるます。それまでに発射するという力が働いているようです」
800億円は北朝鮮の約8割、約1900万の国民が1年間に受けるトウモロコシの配給量に相当するという。