北朝鮮は長距離弾道ミサイル(北朝鮮は「人工衛星」)の発射実験予定を10~22日(2012年12月)を29日まで1週間延長した。「1段目の制御エンジンに技術的な欠陥が見つかったため」と発表されたが、北朝鮮ウォッチャーや軍事ジャーナリストは「裏がある」という。
欠陥発表して開かれた新政権をPR
あえて欠陥を発表したことについて、「コリアレポート」編集長の辺真一氏は「透明性に努めてることで、ミサイルではなく人工衛星であると国際社会にアピールする狙い」があったと見ている。では、軍事的にはどう見たらいいのか。軍事ジャーナリストの恵谷治氏は次のように見ている。
「欠陥があったとされる1段目と2段目のロケットは、過去に成功したことがあります。今回の発表前に撮られた衛星写真を見ると、人工衛星や核弾頭を搭載する3段目の部品が運び込まれた形跡があり、まだ成功例のない3段目に欠陥が生じた可能性があります。3段目ロケットが注目されるのを逸らす意図があるのではないでしょうか」
4月の失敗から8か月じゃ無理がある
菅野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)は「4月に失敗し、たった8か月しかたっていない。どだい無理があるんじゃないですか」と切り捨てた。この日がコメンテーターデビューだった舞の海秀平(スポーツキャスター)も「恥の上塗りするように失敗した。技術がないんですと言っているようなもので、やっぱり何かウラがあるんじゃないかと思う」と話す。
それでも年内の発射にこだわるのは、12月30日は金正恩が軍の最高司令官に就任してちょうど1周年になる。盤石なところを内外にアピールしたいのだろう。
文
モンブラン