北朝鮮ミサイル延期―狙いははじめから日米中韓の反応チェック?

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   北朝鮮はけさ10日(2012年12月)7時から22日までの間に長距離弾道ミサイル発射を予告していたが、朝鮮宇宙空間技術員会は「一連の事情が生じ、発射時期を調整する問題を科学者や技術者が慎重に検討している」とし、事実上の発射延期を明らかにした。北朝鮮のミサイルに何が起きているのか。

自衛隊は4月発射上回る570人警備体制

   奥平邦彦リポーターがミサイル飛行コース近くの石垣島から伝えた。「今年4月のミサイル発射の時の警備は400人態勢でしたが、今回はそれよりも多い570人です。北朝鮮のミサイル燃料には有害物質が含まれているといわれ、それを処理する機動隊や自衛隊の特殊部隊も含まれています」

   司会のみのもんた「直前になっての発射延期。北朝鮮のミサイルに何かトラブルが起きたのでしょうか」

   ロケット工学の専門家・永田張紀(北海道大学教授)は「ミサイルの組み立てが完了すれば、普通は発射実験をします。今回の発射延期はその過程で何らかのトラブルが起きたと考えられます」と話す。韓国政府関係者は深刻な技術的問題が生じていると見ているといい、韓国情報機関は「燃料タンクからミサイル本体に燃料を注入しているときに、トラブルが起きた模様」と分析している。

   「8時またぎ」コーナーでは、ソウル支局の久保雄一記者が韓国メディアの記事を紹介した。「北朝鮮当局は3段目の弾頭を緊急輸送して交換に取りかかると書かれています。交換が済み次第、発射準備に取りかかるのではと見られています」と報じられているという。

射程距離は米国アラスカまで…発射したら経済制裁強化

   北朝鮮情報専門サイト「ディリーNK」の高英起・東京支局長と軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏はこう解説した。高氏は「北朝鮮国内では4月のミサイル発射失敗のこともあり、今回は発射そのものが知らされていません。発射に失敗すれば知らん顔。成功すれば、偉大なる指導者様のおかげだと宣伝するつもりのようです」と話す。

   みの「本当のところ、北朝鮮のミサイルはどのぐらい飛ぶのだろう」

   黒井「射程距離は3000キロから6000キロといわれています。6000キロまで飛ばすことができれば、アメリカのアラスカは射程距離に入ります。

   みの「日本政府やアメリカは、発射すれば経済制裁を強めるとしていますが…」

   黒井「どこまで実効性のある制裁ができるか。アメリカは北朝鮮のミサイル技術が中東に流れることを恐れています。やった者勝ちというのが現状です」

   技術的トラブルは口実で、中国からの圧力、アメリカに「自制できる国」を印象づけるための「延期作戦」のように見える。はじめから、日米中韓がどういう反応をするかを見極めるのが狙いだったんじゃないか。

文   ナオジン| 似顔絵 池田マコト
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