人気歌舞伎役者、中村勘三郎の急逝を惜しむ声が梨園に留まらず各界で広がっている。そんな中、食道がんの手術は成功したのに、術後に肺炎を発症して2度も転院しながら帰らぬ人となったことにオヤ?思う人も多いだろう。「モーニングバード!」が直接の死因だった「急性呼吸窮迫症候群(ARDS))とはどんな病気か改めて取り上げた。
体が酸素取り込めなくなり死亡率43%
慶応大医学部の田坂定智医師によると、「(ARDSは)肺に炎症が起きて、中に液体が溜まって体の中に酸素を取り込めなくなる状態」という。人工呼吸器や人工肺を使って酸素を供給するが、特効薬など効果的な治療法は見つかっていないため、死亡率は43%と高い。長男・勘九郎も5日(2012年12月)の会見で、「ここ数日は安定していたのでビックリしました」と語っており、容態が急変したようだ。
では、ARDSどんな時に発症するのか。食道がんの手術の後に、細菌感染などで肺炎になる率は10%で珍しくはない。ところが、重い肺炎や何度も肺炎を繰り返すことで過剰に免疫作用が働くとARDSに移行するという。風邪、インフルエンザによる肺炎や交通事故、水難事故で傷口からウイルスが侵入し、ARDSにかかるケースもある。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト