中村勘三郎「急性呼吸窮迫症候群」なぜ?人気役者追い詰めたストレス

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   人気歌舞伎俳優の中村勘三郎急逝のニュースを「モーニングバード!」は冒頭で取り上げた。今年6月(2012年)の人間ドッグで食道がんが見つかり、7月に12時間に及ぶ手術を受けた。早期発見だったことから手術は成功し、術後経過も順調だったのだが、9月に肺炎を発症した。呼吸不全に陥り、2度転院を繰り返し呼吸不全専門の治療を受けてきたが、12月5日午前2時33分に急性呼吸窮迫症候群のため、入院先の日本医科大付属病院で亡くなった。享年57という若さでの旅立ちだった。

食道がん12時間手術で体力・免疫力低下

   所属事務所から報道機関に届いたFAXによると、来年4月に完成する「歌舞伎座の?落しに出演することを心の依り所としてがんばってきたが、回復は叶わなかった。病床には妻の好江と息子の中村勘九郎、中村七之助が襲名公演中の京都から駆け付け、18代目・勘三郎の最期を看取ったという。

   なぜがんではなく、肺炎による呼吸不全で亡くなったのか。医学博士の中原英臣医師こう説明する。「12時間の外科手術で相当体力や免疫力が落ちていた状態だったのでしょう。元気な体だったら肺炎にかかっても克服できるが、やはり体力が落ちていて勝てなかった」

新しい歌舞伎座の核となる「世代のつなぎ役」

   人気役者ゆえにもともと疲労が蓄積していたフシがある。昨年1月にも勘三郎の体を病が襲っていた。「特発性両側性感音難聴」。疲労が原因とされる難病指定の病だった。梨園に詳しいコメンテーターの萩谷順(元朝日新聞編集委員)は、「歌舞伎界の原点の直系で座頭ですから、マネジメント、後輩の指導だけでも大変なストレスだったと思います」と話す。

   司会の羽鳥慎一「歌舞伎界において勘三郎さんはどんな存在だったんですか」

   萩谷「大損失ですよ。いまの歌舞伎界は、市川団十郎さん、尾上菊五郎さん、中村吉右衛門さん、片岡仁左衛門さんなど70歳前後の大看板とずっと若い市川海老蔵さんの間を、57歳の勘三郎さんが一人で支えてきた。新しい歌舞伎座ができたときに核になっていく人だった。これからの歌舞伎界の中心を失ってしまったようなことになるかもしれない」

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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