北朝鮮北西部の東倉里の妙な動きはやはりミサイルの発射準備だった。北朝鮮は今月(2012年12月)10日から22日の間に、長距離弾道ミサイルを発射すると通告してきた。4月に失敗して8か月後のリベンジになる。
父親の夢を息子が叶えて足場固め
なぜこの時期に?と「ニュースアップ」コーナーで小松靖アナが取り上げたが、日本では16日に衆議員と東京都知事のW選挙、韓国では19日が大統領選。ひょっとしたら国威発揚を兼ねたいやがらせかもしれない。1年前の12月17日には金正日総書記が死亡しており、異例の年2度はそのせいか…。
野田内閣は拉致問題などを協議する日朝政府間協議の延期を決めたほか、広島の海上自衛隊呉基地にある地上配備型迎撃ミサイルPAC3を輸送艦に積み込み沖縄へ向け出港する。「コリア・レポート」の辺真一編集長は「ミサイル発射成功は父・金正日の夢でしたから、息子がその夢を叶えようという狙いでしょう。17日より前の、天候など条件の良い日に発射する」と見ている。
「北の挑発」韓国でも日本でも保守派に追い風
17日より前となると、まさに衆院総選挙の投票日の朝にということになるかもしれない。元共同通信記者の青木理はこんな話をする。「韓国には選挙用語に『北風』という言葉があります。大きな選挙の前に北が何かをやって、それによって韓国内で対北強硬派、保守派が選挙に勝つという意味です。しかし、北に厳しい人が有利になるので、北にとってあまり得にならないが、いまは外交的利益より、父親への忠誠、国内の体制固めの方が大切なんだという事情は想像できます」
日本だったら、タカ派の安倍自民党、石原維新の会にとっては、「だから国防軍。改憲」と追い風になるということか。4年ぶりにせっかく再開しそうになった日朝間の拉致協議がまた遠退いてしまった。