懐かしの町並みが壊れていく!住み手途絶え、修理・維持費、相続税の重い負担

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NPOで東京・谷中の「カヤバ珈琲」復活!若者の人気スポット

   そんな中、東京・台東区谷中で面白い試みがあった。大正5年創業の喫茶店「カヤバ珈琲」は木造2階建て。関東大震災も東京大空襲も生き抜き、地域の憩いの場になっている。ここも6年前、経営者の女性が亡くなり、相続者に継続の気がなかったため、解体の危機に直面した。町内会長の浅尾空人さんが区に買い取りを働きかけたがダメだった。そこで、見つけたのが谷中の建物の保存活動をするNPOだった。

   NPOが所有者に聞くと、相続税の支払いはなかったが、固定資産税、修理・維持費が負担になるとわかる。NPOは管理を請け負い、営業する人を捜して貸し出し、賃貸料で費用を賄うことを考えた。

   ただ、普通の賃貸契約は借り手の意向が優先する。地元の不動産業者が「定期借家制度」を設定した。これだと所有者の意向で更新が決められる。費用は一切借りる側が負担する。地元のギャラリーが資金を出し、学生がボランティアで壁塗りをしたりと、地域ぐるみの努力で生まれ変わった。レトロな雰囲気がいま谷中を訪れる若者に人気だ。

   西村教授「谷中の例はいい。NPOだと行政と違って創意工夫が生きる。町並み保存のモデルになります」

   思えば、古くて新しい問題だ。その昔、奈良や飛鳥で町並み保存で不便を強いられると住民がぼやいていたのを思い出す。法律はあれから変わっていなかった。でも、知恵を絞る人たちがいるのが心強い。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2012年11月29日放送「懐かしの町並みを守るには~失われる伝統的建築物~」

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