柔道金メダリストの準強姦裁判は、きのう29日(2012年11月)に検察側の被告人質問が行われた。内柴正人被告(34)は入廷すると、被告席で肩を回しクビをならしたりとストレッチをはじめ、まるで試合前のような様子だった。肝心の場面では実演までしてみせた。
検察「どっちからキスを?」 内柴「あうんの呼吸というか…」
前日の弁護人質問で内柴は「合意」を訴え無罪を主張していたが、検察側の質問も女性の意思に集中した。準強姦罪は睡眠状態や酒などで昏睡状態にある女性に性的暴行をすること。被告が「合意」と思い込んでいると準強姦は成立し難いと専門家はいう、まさにポイントだ。
焼肉店で飲食したあと、カラオケ店で性的接触があった。「その流れやキスに応じていることから了承と思った」と主張する内柴に対し、検察は被害女性は酩酊状態にあったと見る。
内柴「トイレでキスをしてしまいました」
検察「あなたからキスをした?」
内柴「どうでしょう。わからない」
検察「きのうは『(女性から)してきた』といった」
内柴「『してきた』といったんですか?どちらともとれないんじゃないですか」
検察「今の記憶で説明してください」
内柴「阿吽の呼吸というか」
「部屋に帰って、男としてのスイッチが入ってしまった」
検察「(カラオケ店で)女性はあなたの股間を枕に寝ていたのですか」
内柴「そうです」
検察「股間に圧力を感じた?」
内柴は「はい」と答えると、弁護側の長椅子に移動して、その様子を再現してみせた。だが、カラオケ店にいた柔道部の部員は、裁判で「性的接触は見ていない」と証言している。内柴はまた、「(女性に)指を突っ込んで吐かせて、そこらへんで何かきっかけが生まれたのか、部屋に帰って女性ともう1人がもたれかかってきて、指導者じゃなく、男としてのスイッチが入ってしまった」ともいった。
司会の小倉智昭が「(論点は)カラオケ店で何があったかなの」
取材した岸本哲也レポーターによると、「男女の間に合意があったのか、合理的に証明できるのかは疑問です」という。内柴が証言台を使ってキスをした状況を実演したさまを岸本がやってみせた。「テレビでいえないような赤裸々な表現もたくさんありました」
笠井信輔キャスター「男が合意があったと思い込んでいたら罪に問えないのなら、法律自体が男に有利だ」
岸本「密室のことで、女性が同意してないと証明できるかどうかです」
小倉「裁判ではそうかもしれないが、コーチの身分で、また他にも女性関係があったと聞くと…」
深澤真紀(コラムニスト)「心配なのは報道ですね。加熱すると女性はその方がつらい」
小倉「名前は出なくても、関係者にはわかってるでしょうからね」
こんなことでメダリストが争うか。情けない話だ。