「ますます分からなくなりましたねえ」と司会のみのもんたが首をひねる。「朝ズバッ!」が取り上げたのは、朝日新聞の「みどりから未来の合流→当選したら復党」の記事だ。それによると、みどりの風は民主党を離党した初鹿明博、福田衣里子、山崎誠の衆院議員3人を「日本未来の会」から出馬させ、当選すればみどりの党に復党させる方針という。
背景には、政党要件の「所属国会議員5人以上」を維持し、政党交付金などを得るのが狙いで、「3人は『二重党籍』で戦ってもらう」(谷岡郁子共同代表)という。どういうカラクリなのか。
比例ブロック擁立ない政党なら移籍OK
政党名で投票する比例区で当選した議員は、別の政党に移ることは国会法で原則禁止されているが、同じ比例ブロックに候補者を擁立していない政党なら移籍が認められている。みどりの党は今回の衆院選で独自候補を立てないためこのケースに当たるという。
話題の党の名前を借りて選挙戦を戦う「借景選挙」というわけで、ご都合主義に北川正恭(早稲田大大学院教授)は「これもわかりにくい。公の政党がこういう事態では問題ある」と嘆いた。
金井辰樹(東京新聞政治部次長)「例のないケースで、違法でなくてもわかりにくさは残る。緩やかな連携で政権の枠組みをつくったイタリヤの『オリーブの木』をイメージすれば、今回の動きは理解できる」
しかし、オリーブの木は政策を同じくする連立の枠組みのための連合体で、政党でもなければ統一会派でもない。他党の名前を使って選挙戦を戦うとは聞いたこともない。「政党とは何か」が問われることになりそうだ。