自民党の安倍晋三総裁は「食事をしている間にも、新しい政党が生まれていますね」と皮肉ったが、無視したいという本音がよく見える。きのう27日(2012年11月)、滋賀県の嘉田由紀子知事が結党を宣言した「日本未来の党」を巡って、第3極の動きが慌ただしくなっている。特集でこの新党が総選挙にどんな影響を及ぼすかを探った。
「反維新」第3極が合流-民・自に次ぐ勢力
大阪市内で行われた嘉田知事の会見から6時間後、小沢一郎氏が率いる「生活が第一」が常任幹事会を開き、嘉田新党への合流を決定。会議後の「私どもとほぼ共通した政策と主張だったので、合流して一緒に選挙を戦うことを決めた」と小沢は語った。「減税日本・反TPP・脱原発実現する党」の山田正彦共同代表も「私たちも手を上げたい」という。すでに解散時議席数で見れば、民主、自民に次ぐ大勢力だ。
嘉田は2006年の滋賀県知事選に当選して全国で5番目の女性知事となる前は京都精華大学の教授だった。どんな教授だったのか。同僚だった細川弘明教授は「学生の話を最後まで黙って聞くタイプの先生でした。それと、琵琶湖の自然・環境保護に常に高い関心を示していました。滋賀県には原発がありませんが、北隣の福井県にはいくつもの原発がある。この原発で事故が起きたら、滋賀県や琵琶湖に及ぼす影響はと危惧していました」と語る。
「卒原発」と「脱原発」どう違うの?
司会の加藤浩次「嘉田新党の登場で卒原発という言葉が出て来ました。卒原発と脱原発。どちらが原発をなくすためには効果的なのでしょうか」
コメンテーターの宮崎哲弥(評論家)はこう話す。「卒原発の方がゼロにする方向にスピード感があるということですよ。嘉田新党の登場は今度の総選挙に一石を投じると思う。そもそも、なぜ総選挙を行うかといえば、これからの日本のエネルギー政策をどうするかと消費増税問題だった。本来ならこの2つが選挙の争点になるべきなのに、いまだ争点になっていない。嘉田新党はこの争点を改めて浮き彫りにしようとしている」
たしかに、未来の党の登場で「原発ノー」か「原発イエス」かが総選挙の最大の争点になった。