滋賀県の嘉田由紀子知事が27日(2012年11月)、「日本未来の党」の結成を正式に表明した。ガラス越しに琵琶湖の波立つ湖面をバッグに口を開いた嘉田は、力を込めてこう言った。「今のままでは選ぶ政党がない。本当の第三極をつくって欲しいという声にこたえ、新しい党をつくります」
「卒」以外は「守」で子どもと暮らし、「脱」で増税と官僚、「活」で女性…
未来の党の旗印は原発廃炉と代替エネルギーの道筋をつける「卒原発」だ。嘉田が「未来をつくる政治の結集軸」として、卒原発のほか、「活女性」「守子ども」「守暮らし」「脱増税」「脱官僚」「誇外交」の6項目を上げた。頭に「卒」「守」「脱」「誇」などの一字を付けるのがスタイルらしい。代表には嘉田、代表代行には環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也が就任するという。賛同者として、京セラ名誉会長の稲森和夫や音楽家の坂本隆一らが名前を出している。稲森はつい先日、「必要悪」と原発維持の発言をしたばかり。どう折り合いをつけたのか。
それでも票目当てに、内容のない原発ゼロや脱原発を掲げた他政党に比べ、卒原発の斬新さを感じたのだろう。多党乱立の中で埋没しそうだった「国民の生活が第一(生活)」や「減税日本・反TPP、脱原発を実現する党(脱原発)」が、嘉田の呼びかけにさっそく呼応し合流を表明した。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト