東京・板橋区で主婦が殺害された事件で、犯人と見られる男の姿を複数の防犯カメラが捉えていた。しかしなぜか、映像は公表されない。それを警察に要求すべきはテレビだと思うのだが…。
事件が起こったのは21日午後(2012年11月)で、主婦の荒井久美さん(34)は東武東上線・成増駅前で買い物をした後、約400メートル離れた自宅に帰った。その直後に犯行にあったと見られている。荒井さんは自宅2階で両足を縛られ、胸など十数か所を刺されて死亡していた。室内は物色されており、キャッシュカードなどが入った財布が盗まれていた。犯人は1階のガラス戸を破って侵入し、帰宅した荒井さんと鉢合わせになった可能性がある。
被害者宅侵入直前から現金引き出しまで防犯カメラにバッチリ
事件の直前、荒井さん宅のインターホンを鳴らす男が、向かいのマンションの防犯カメラに写っていた。20~30代の黒いスーツ姿で、黒ブチのメガネをかけていた。午後5時頃、池袋駅近くのコンビニのATMで、荒井さんのキャッシュカードで男が26万円を引き出していた。暗証番号を間違いなく押していた。男は白いマスクをかけ、グレーのニット帽、黒いセーターに青いマフラーで、黒ブチメガネをかけていた。
さらにその直前、コンビニ近くの量販店でマスクやニット帽などを買ったスーツ姿の男がいた。男はすぐ隣のパチンコ店のトイレで服を着替えていた。いずれも防犯カメラの解析で判明したものだ。警察は同一人物とみて捜査している。
荒井さん宅の近辺では、このところ空き巣の被害が続発していた。数日前から不審な男がうろついているのを近所の住民が見ていた。荒井さん宅付近に残っていた足跡が1週間前の空き巣現場の足跡と類似していた。
少しづつ傷つけながら「暗証番号」聞き出した可能性
司会の小倉智昭「日中にこんな事件が起こっていいのか」
リポートした岸本哲也は「衣類を買っているところをみると、計画的ではなかったということでしょうか」というが、暗証番号を荒井さんから聞き出したあと殺害していることは間違いない。
宋美玄(産婦人科医)「怖いですよね。暗証番号をいわされて、苦しかったんじゃないか」
小倉「おそらくそうでしょうね」
岸本「傷が十数か所あったので、少しづつ傷つけながら聞き出した可能性があります」
防犯カメラからこれだけのことを割り出すのは相当な捜査力だ。しかし、警察は相変わらず「隠す」のが当たり前と思っているらしい。周辺住民には防犯カメラの映像を見せたらしいが、テレビには流れない。「黒ブチメガネの男」と絵を描いたところで何にもわからない。オウムの手配犯の時もそうだった。公表が遅かったために、余計な時間をかけることになった例はいくらでもある。テレビの威力がわからないはずはあるまいに。今度もまた人の記憶が薄れたころになって公表するのだろうか。