またひとつ動きがあった。きのう26日(2012年11月)、嘉田由紀子・滋賀県知事が「卒原発」の新党構想を明らかにした。第3極が2つの流れになってきた。嘉田知事は「国政で原子力政策を議論にて欲しいが、なかなか1本にまとまらないなということで、いろいろみなさんと意見交換している段階です」と新党そのものには言及しなかったが、きょうあらためて会見を行うという。
嘉田知事、小沢一郎・生活代表、減税日本の河村たかし名古屋市長らが「脱原発」の比例統一名簿を目指すと見られる。第3極は「維新」グループと「卒原発」グループができることになった。
「生活」「減税」「みどり」小選挙区で競合なく、比例代表で統一名簿の可能性
「とくダネ!」はきょうから来週月曜日まで、順次各党の討論を行なうという。初回は日本維新の会の橋下徹代表代行が会津若松から、減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の河村たかし共同代表が名古屋から、みどりの風の谷岡郁子共同代表 がスタジオで討論になった。テーマは「脱原発」だ。
原発についての3党の位置づけは、維新の会は旧太陽の党との合流で後退した印象があるが、公約には一応掲げた。河村と谷岡は小沢らと「脱原発」でグループを作って、嘉田知事が顔となる動きだ。嘉田はびわ湖の環境問題から政界に入った筋金入りの「環境派」で、福島事故のあとは「卒原発」を提唱している。
司会の小倉智昭「この図式で間違いないですか。新党はできますか?」
河村「早くせんと…。小選挙区の仕組みそのものが大きいグループを作らないといけない」
そのグループの一角をになう谷岡は「悩んでます」という。「国民に選択肢を与える必要があるが、野合であってはならない。何らかの形では参加しますが、どうすればいいかはまだオプション」
ただ、「生活」「減税」「みどり」の3党は小選挙区で競合しておらず、比例代表で統一名簿を作る方法が有力だという。
橋下「知事が脱原発言うと、鳩山元首相の普天間の二の舞」
ここで橋下が「脱原発は危険だ」と、鳩山元首相の普天間の例を出して、行政に就くのと議員では違う、「行政の立場では何年と区切れない」とまくし立てたので論争になった。
河村「普天間はアメリカが相手で話が違う。宣言しないと動かない」
谷岡「福島は戦場ですよ。抜本的にどうするかを話すことが必要です」
言い合ってはいるが、3人とも脱原発には賛成だ。維新が当初「2030年にゼロ」といっていたのを、石原・旧太陽の党との合併で引っ込めてしまった。嘉田もきのう、橋下の動きに対して「仲間を失った感はあった」と話している。違いはこのあたりだ。
田崎史郎(時事通信解説委員)が「みんなの党」との連携について、橋下に聞いた。「一緒に」という橋下に対して、「みんな」の渡辺代表はウンといわない。橋下は「合流しない場合は、東日本の選挙協力は難しいでしょうね。政策は一致しても、人間関係がある」と、みんなとの合流が失敗したことをにじませた。
田﨑「感情も含めて処理していくのが政治家」
橋下「そうなんですよ」
どっちにしても、少数党にとっては、河村のいう「小選挙区の特性」が問題なのだ。大きな塊にならないと議席にはならない。大きくなれば異論が増える。すると石原慎太郎のいう「小異をすてて大同に」も意味がわかってくる。