出生前診断の導入が検討されているが、「スッキリ!!」はわが子がダウン症に罹っていることを知りながら出産に踏み切った夫婦に数か月間密着取材し、その苦悩と喜びを伝えた。
「生むのが当たり。でも、社会のハードルはまだまだ高い」(母親)。
出生前診断を受ける妊婦はここ10年間で2倍になっている。理由の大半は「親になる準備をするために」「わが子の命を守るため」という。関西在住の松原未知さんは障害を持つ人たちの世話をする仕事をしながら、39歳の時に結婚した。なかなか子供は授からず、3度の人工授精も失敗に終わった。
松原さんは「精神的にも肉体的にも苦しかった。もうあんな思いは2度としたくないと思っていた」と語る。その矢先、待ちに待った妊娠の兆候が現れ、現在妊娠中だ。そして、妊娠12週目で受けた出生前診断でダウン症が判明した。松原さんは「それまで障害の仕事をしていたので、妊娠しても生むのが当たり前と思っています。でも、わが子がダウン症とわかり、これからいろいろなバリアーを抱えて生きていくのだな、社会のハードルはまだまだ高いなと実感しています」と語った。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト