先週金曜日(2012年11月23日)の「とくダネ!」で飛び出した、「日本維新の会」の橋下徹・代表代行の「じゃんけん」発言が波紋を拡げている。第3極の大同団結のまさに核心ともいえる「みんなの党」との関係に関わるからだ。
「旧太陽との結婚解消が先」石原に乗り換えられ関係ギクシャク
橋下は総選挙の議席目標を聞かれ「全員当選」と答えたが、「みんな」と競合する選挙区はどうするのかと突っ込まれた。橋下は「本当は一緒になりたい」とここが本音だが、「選挙調整ができなければ、じゃんけんで決めてもいいくらいみんなの党とは考えが一致している」と話した。
これを記者たちがみんなの党の渡辺喜美・代表に伝えたところ、「ハハハッ」と笑って、「われわれが1年前、2年前から事実上の公認を決めている選挙区に、(維新が)立ててこられた。合流すればじゃんけんでもというのは乱暴ないい方ではないでしょうか」 と反論し、「(旧太陽の党との)結婚・婚約を解消してもらわないと、合流話は先に進まないと思いますよ」とも言った。
もともと維新の橋下と渡辺とは考えも政策も近く連携がいわれていたが、旧太陽の党の石原慎太郎の登場で、橋下はそちらへいってしまった。「政策の一致が第一」といっていたはずが、石原にあわせて、企業献金、TPP、原発など政策で後退してしまった。
それはとうにわかっていたことだが、じゃんけん発言の翌日、渡辺は街頭演説でかなり激しく「太陽の党との合流」を非難し、「橋下さんが言ってきたのは、みんなの党も日本維新の会に吸収されてくださいということだった。ちょっと待った! じゃんけんで決めるほどわれわれはいい加減な候補を選んでいませんよ」と叫んだ。
これにまた橋下は「太陽側が(みんなの党の)政策をやるというのなら一致じゃないですか。最初から太陽側のメンバーを外さなきゃといったのは、政策で選ぶのか人でえらぶのか、どっちなのかと疑問に思った」とやり返す。さっそく岡田克也・副総理は「政策はチャンポン。候補者はじゃんけん。ちょっとひどいんじゃないかと思いますよ」と冷やかす。
橋下は「言葉のセンスがない。それくらいのニュアンスを受け止められない政治家は政治なんかできない。じゃんけんで決めましょうというのは、要は最後は理屈で決めなくてもひとつにまとまろうという強烈なメッセージですよ」という。