維新・太陽「大阪の恋の物語」石原は晩節汚し、馬脚現した橋下
ところで、ようやく解散・総選挙になった。安倍晋三自民党総裁との党首討論で解散を明言するという奇襲攻撃に出た野田佳彦首相は、なかなかの迫力だった。あわてた安倍総裁は支離滅裂な受け答えで、この人の胆力のなさを暴露してしまったが、近年にない面白い国会中継だった。
都知事選挙とのダブルになったが、都知事選への関心が急速に失われ、これで自民党が推し、維新の会も推す猪瀬直樹副知事の当選はほぼ間違いないだろう。
だが、けさ22日(2012年11月)のフジテレビ系のワイドショー「とくダネ!」に猪瀬副知事、宇都宮健児弁護士、松沢成文前神奈川県知事、笹川堯元衆議院議員が出ていた。宇都宮弁護士は社会保障の充実を旗印にするのはいいが、何をいっているのかわからない迫力のなさが心配だ。松沢前神奈川県知事は弁舌爽やかだが、猪瀬候補との違いが鮮明でない。笹川元衆議院議員は落ち着いた話しぶりに好感がもてるが、年齢的にも当選は難しいだろう。
気になったのは、宇都宮が話しているときにも割り込んで、持論を押し付ける猪瀬のやり方である。石原慎太郎前都知事と同じように、他人の意見を聞かない非寛容なところを継承している人物が、再び都庁のトップに座るのは一都民としては願い下げにしたいのだが。
そういえば、石原前都知事と橋下徹大阪市長の「変節」には驚かされた。あれだけ政策が合わなければ一緒にはやれないといっていた橋下市長が、原発政策一つとってみても大きく違う石原たちと手を組むのは、野合などというレベルの話ではない。橋下の正体見たりである。石原も持論をねじ曲げてまで橋下の軍門に下るとはどういう了見なのか。晩節を汚すとはこういう生き方をいう。
文春のグラビアで石原と橋下の写真のキャプションに「慎太郎と徹『大阪の恋の物語』」とあったのは秀逸。「『東京で一つ 大阪で一つ』となったが、熱しやすく冷めやすい御両人の行く末が心配だ」とあるが、まさにそのとおり。
だが、これだけはハッキリしている。もし万が一、石原が総理になったら、橋下のいうことなど一顧だにしないだろう。週刊新潮(11月8日号)が書いたように、「『石原総理』なら譲らない『反米』『反中』『核武装』」を推し進め、日本を「別の国」にしてしまうはずだ。
今回の総選挙は、この石原・橋下連合がどこまで票を集めるのかが最大の関心事のようである。