他候補の発言中に割って入って「話をよく聞きなさいよ」
宇都宮は石原都政は「福祉を切り捨てた」という。老人福祉予算の割合は1999年では全国で2位だったが、最近は最下位になってると例に挙げた。猪瀬が「いま東京都の福祉予算がいくらだかご存知ですか」と反撃すると、「いや、老人福祉ですよ」と宇都宮は群馬県の民間施設が焼けて死者を出したとき、入居していたのが都民で、墨田区で生活保護を受けていた話をあげた。
猪瀬「都の福祉予算は9500億円あります。総予算に占める割合は、美濃部さんの頃は7%だったが、いまは15%。群馬の事件でもプロジェクトチームをたちあげて…」と、現職の副知事の知識をとうとうと述べる。これをやられると、行政経験の有無がもろに出てしまう。
猪瀬は松沢にまで「話をよく聞きなさいよ」といった調子。都庁内でも「威張りくさっている」と陰口があるらしいが、長年ドキュメンタリーの一匹狼でやってきた猪瀬はこれがカラーだ。しかし、聞いていてあまり愉快ではない。話がさらに具体的になって、特養老人ホームや待機児童、認証保育園となると、「国との戦いですよ」と実情と構図を立て板に水だ。質問にも「事実をきちんと踏まえて発言してくださいよ」と、まるで都議会の答弁みたいになる。他人がしゃべっているのにかぶせて発言する。防災、電力対策、原発…何でもそうだ。
小倉も「副知事だからそうじゃないといいたいのはわかるが」と持て余し気味。最後に「石原都政を論ずると、猪瀬さんとしてはああなるんでしょうが、また機会があれば」と締めくくった。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト