また、沖縄で米兵が逮捕された。今度は酒に酔って他人の家に上がり込むという住居侵入容疑だ。夜間外出禁令などどこを吹く風の狼藉が止まらない。大竹真リポーターが現地を取材した。
米兵による事件「年間50~70件」
おととい18日(2012年11月)の朝7時半ごろ、那覇市中心部の国際通り近くのビル4階にある飲食店従業員の男性宅に、米軍普天間飛行場所属の海兵隊中尉トーマス・チャンケット容疑者(24)がいきなり入ってきて寝室で眠り始めた。部屋にいた知人の女性が110番通報して現行犯で逮捕された。男性も知人女性もトーマスと面識はないという。いったいどういうつもりなのか。沖縄の市民の家を自由に使えるとでも思っていたのか。
先月19日(2012年10月)には、米海軍兵による集団強姦致傷事件を受け、綱紀粛正策としてすべての在日米軍人に夜間外出禁止措置(午後11時~午前5時)が出されたが、それも束の間、今月2日には同じように酒に酔った米空軍兵(24)が読谷村の住宅に侵入、男子中学生を殴る事件が起きている。こうした米兵による事件は、過去5年間を見ても年間40~70件起きている。綱紀粛正は名ばかりだ。
これまで米兵関連事件を数多く担当してきた弁護士は、「米兵はみんな基地に住んでいるわけではない。基地の外の民間のアパートを借りて生活している米兵がたくさんいる。彼らに対しては、外出禁止令といったって実効性がない」と語る。きのう米軍関係者と面会した沖縄県の基地防災統括官も、「外出禁止措置をとっても兵士の監視を徹底するのは困難といわれた」と明かす。
駐日アメリカ大使「再発防止策に努力」具体策は示さず
司会の加藤浩次「またかという印象ですね。沖縄の方が怒るのは当然ですよね」
キャスターのテリー伊藤「怒るのともうひとつ、悲しいかなあきらめの思いもある」
現地取材したリポーターの大竹も「テリーさんのおっしゃる通り、何やっても無駄という声も多かった」と報告する。
今回の事件を受け、駐日アメリカ大使は実効性を伴った再発防止策をとるよう努力するといっているが、具体的には何をどうするのか。夜間外出禁止措置には罰則があるといっているが、その内容は沖縄県側にも伝えられておらず、よくわからない。
加藤「本当にどうしたらいいのか」
テリー「残念だけど事件は続きますね。基地に依存せざるを得ないという現実もあるので難しい」
弁護士の菊地幸夫「規律を守るべき軍隊の組織が夜間外出禁止令を簡単に破っていいのか、という問題もある」
テリー「米兵は俺たちが日本を守っているということではなく、沖縄の人に愛されるということを本気で思わないと。もっともっとコミュニケーションを取っていかないと、沖縄の人はたまったものではない」
日本の安全保障の重要な問題だが、今度の選挙に向けて沖縄の声はどこまで届くのか。