「鳩山さんが大変なことになってます」と笠井信輔キャスターがいう。北海道9区で立候補予定の鳩山由紀夫元首相(65) をとりまく状況がきびしいというのだ。民主党から公認されないかもしれないのだと…。
「民主から出るって…、選挙出馬のこと?離党のこと?」
苫小牧市の鳩山の地元事務所は、赤と白に塗り分けられたビルに「友愛」「Love」とハトの絵が大きく描いてある。おととい17日(2012年11月)の事務所開きでも鳩山の顔色は冴えなかった。あいさつも「民主党と鳩山に対する風は大変きびしい」と支持者へのお詫びから始まった。
室蘭での大学のトークイベントに出て、司会の脳科学者・茂木健一郎氏から「民主党から出るんですよね」と聞かれて、「民主党から出るというのは、民主党から出馬するのと、民主党から飛び出すというのと…」と冗談で返して、「当然、民主党でしょう。(民主の現状に)我慢しきれなくなりそうだけど」と笑いを誘った。
自民党は北海道9区に刺客として、スケートの五輪メダリスト・堀井学氏(40)を立てる。地元・室蘭出身で道議会議員でもある。これは強力だ。すでに苫小牧市内にはいたるところにポスターが貼られている。支持者の中には「前回は鳩山さんに入れたが、バラ色がグレーになってしまった」という人もいた。
鳩山は民主党を立ち上げ政権交代をなしとげた「ミスター民主党」だったが、沖縄・普天間基地問題での不手際、偽装献金、母親からの資金提供などで、わずか9か月で首相の座を降りた。1度は「政界引退」を表明したが、いつの間にか撤回して、小沢一郎元代表とともに菅内閣、野田内閣の政策に異を唱え続けてきた。
民主党執行部「公認で出たいなら、どなたであっても守ってもらう」
この日も記者団に、「消費増税がまかり通るようではいかん」といっている。「度自分との戦いだと思っています」とも話す。しかし、安住淳・幹事長代行は「わが党から公認で出ることを望むのなら、きちんと党の約束を、どなたであっても守ってもらわないといけません」とまさにきびしい。
北海道9区では、ほかに共産党の花井泰子氏(69)が立候補する。一時は歌手の松山千春(56)の名もあがっていたのだが、9月末に松山から「9区からは出ません」といわれていた。
田崎史郎(時事通信解説委員)「相当にきびしいですよ」
司会の小倉智昭 「党からは見捨てられているんでしょうか」
田﨑「というか、出ていってほしい人になっている」
夏野剛(慶応大学大学院特別招聘教授)「第3極というが、実際の選挙区は民主、自民、共産のパターンが多い。私の住んでるところもそう。だれに入れたらいいかというのが多いのではないでしょうかね」
小倉「茂木さんが『民主党から出るんですか』というのは秀逸だった」
もう1人、選挙が怪しい大物がいる。小沢一郎だ。「放射能が怖くて岩手へいかなかった」と奥さんに暴露されて、岩手の人たちが許すだろうか。