野田首相が「16日解散」を言った途端、活発に続いていた橋下大阪市長のツイッターが止まった。会見でも、珍しく「戸惑っている」と漏らした。石原・太陽の党との間合いがとれていないからだ。その両者の会談が都内のホテルでけさ16日(2012年11月)に行われた。結果がどうあれ、午後には衆院解散だ。
けさ9時から「最後の会談」
14日の「解散」発言を受けて、会見に現れた橋下は「16日は間違いない?」と記者に確認したあと、「準備できてるできないといいわけが通用する世界じゃないですから、人生1回こっきりの大勝負。自分の持ってる力を出し尽くします」と話した。準備不足はありありだ。同時に石原への思いも口にした。「ボクにないもの、ボクに欠けているもの、ありとあらゆるものを備えている。石原さんの存在なくして、ボクらは力を発揮できない。ボクらは若さ、エネルギーで、石原さんにないもの、それこそ突撃部隊ですよ」
翌15日、石原は河村名古屋市長の「減税日本」との合併を発表した。その会見でいきさつを問うた記者に、石原は「そんなつまらん質問するな。あす橋下さんと大連合をつくって維新とひとつになる。ひとつの党でやるんだよ」となぜか怒った。この少し前、橋下は「石原さんのマネジメントにはちょっと疑問がある。合流ではなく共闘ができるのかどうか。ひとつの政治グループとしてまとめられる範囲なのか、その辺の見極めです」と話している。減税とは政策で一 致できなかったからだ。
石原はまた、みんなの党の渡辺喜美代表と選挙で連携するという協定を結んだ。渡辺は「理念や政策の一致なしに選挙協力はありません」という。つまりは、一致したとなのか。
橋下はきのう午後の会見では少し変わった。「減税日本とは(合流が)難しいと言っただけで、あきらめてはいません。どうでもいいことなんじゃないですか、世間には。そう考えると気が楽になったんで、まあまあ適当に判断します。もう一回よく考えます」。橋下はけさ9時から石原との会談に入った。
野田首相のいきなり「解散宣言」に浮き足立つ第3極
司会の小倉智昭「減税の党と消費税容認の党が一緒になるというのもね。橋下さんは適当にと言ってる。ついていくのが難しい」
田中大貴レポーターが絵解きをしてみせた。義経と弁慶になぞらえると、石原弁慶は橋下義経に惚れた。弁慶は義経を頼朝にしたい。つまり政権をとって 橋下をトップに据えたいんだという。石原がそうたとえていた。
田崎史郎(時事通信解説委員)「2人は親子のように見える。石原氏の長男は自民の総裁選で敗れた。三男は落選中。代わりに橋下氏に思いを託したいということですかな」
小倉「2人の間にシナリオはあるんだろうか」
ここで、深澤真紀(コラムニスト)がいいことを言った。「民主党自体が政権交代のための党で、中はバラバラ。西欧の2大政党とは違う。日本には2大政党制は合わないんじゃないですかね。ドイツ、スウェーデンみたいな多党連立制でいい。無理に2大政党にすることはない」
小倉「第3極がひとつにというが、4つあってそれぞれ政党の基盤が違う」
笠井信輔キャスター「(太陽の党)なんで減税と最初に話をしたのか。順番が逆だったら話が違ったのでは?」
急がせたのは突然の解散だ。これで第3極 が混乱に陥ったのは間違いない。野田のタイミングと意図はそこだろう。
小倉「これほどの選挙だというのに、与党の話が出てこない(笑い)。でも、絶対最後までダメだダメだといってる方がいい。メディアが書くから」