「やっぱり資金捻出できない」選挙下りる維新候補者続出の可能性
野田佳彦首相は安倍晋三との党首会談で「解散する」と明言し、総選挙へ走り始めたが、想定内だとはいうものの、大多数の議員たちは内心大あわてであろう。「週刊新潮」の巻頭の見出しは「断末魔の『年内解散』」。内容はともかく見事である。この中で、解散に踏み切ったのは「約束は守る『良い人』でいたいから」だと、野田に近い民主党関係者が語っている。
しかし、その結果は惨憺たるものになるという見方が多い。TPP参加をマニフェストに明記すれば、さらに十数人の離党者が出てくる。そうすると、時間的にその選挙区へ候補者を立てられないから、「仮に60以上の空白区を抱えたまま総選挙に突入したら悲惨ですよ。当然、比例区にも影響が出る。(中略)当選できるのはせいぜい60名程度。180人は落選すると言われています」(民主党関係者)
逆に浮かれているのは安倍総裁。早くも「組閣名簿」を周囲に漏らしているというのだ。官房長官に側近の菅義偉幹事長代行、外務大臣に谷内正太郎元外務省事務次官、財務大臣に盟友の麻生太郎元総理だそうだ。
二審で無罪になった小沢一郎「国民の生活が第一」代表だが、こちらは年内選挙だと政党交付金がゼロだから「カネの問題が重くのしかかってくる」(政治部記者)そうだ。同じように「日本維新の会」も支持率低下と選挙資金の捻出で頭が痛いと書いている。
「240人を擁立するには、供託金だけで7億2000万円が必要。維新にはそんな資金力はないので、橋下さんは候補者自身で賄うことを求めている。が、いざ選挙となった時、『やっぱり資金が捻出できない』という人が続出し、候補者の数が減る可能性もある」(市政担当記者)
総選挙後、野党に転落した民主党の顔になるのは細野豪志政調会長だと読んでいる。政調会長に決まった直後に、若手・中堅議員十数人を集めて勉強会=派閥をつくっているそうだ。今回の解散総選挙はさらなる政界混迷の始まりになるようである。