なかなかの勝負だった。きのう14日(2012年11月)の党首討論で、野田佳彦首相は「11月16日に解散する」と表明した。解散の確約を取るつもりだった自民党の安倍晋三総裁も、首相が日取りまで言明するとは予想しておらず、16日解散を「16日に選挙をする、約束ですね、約束ですね、よろしいんですね」とまごつくなど、あたふたとしていた。
虎視眈々と準備していた「絶妙タイミング」
野田首相は解散の条件として、衆院の定数削減を年明けの通常国会で実現すると確約するよう求め、それまでは担保として議員歳費の2割カットを迫った。自民党は討論後にこれに応じることを決め、公明党も同様の考えだ。赤字国債発行法案はすでに成立のめどがついており、あす16日の解散は確定的となった。
それにしても、あっと驚く展開だった。攻めの姿勢で臨んだはずの安倍が「16日に解散をします。やりましょう、だから」という野田の迫力に押されてか、野田の条件提示に即答できなかった。
司会の加藤浩次「野田さんの表明は用意していた言葉なのでしょうか」
キャスターのテリー伊藤「用意していたと思います。絶妙なタイミングですね。安倍さんもびっくりしていましたけど、民主党の人たちもびっくりしたと思います。TPPに反対している民主党の議員のみなさんが、選挙までに離党する可能性もありますよね。ただ、定数削減を来年の通常国会で決めたいといっていましたが、来年の話なので本当にできるのかどうか」
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト