野田「正面突破」に安倍気合い負け「よろしいんですね。約束ですね」とアタフタ

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   まさに大芝居だった。きのう14日(2012年11月)に 開かれた党首討論で、自民党の安倍総裁がジョークを交えて「約束」を迫ったのに対し、野田首相はニコリともせず「16日に解散をします。やりましょう」と迫った。いつもはヤジで騒々しい委員会室がシーンと静まり返った。

虚を突かれた「維新」「みんな」「太陽」第3極間に合わず?

   安倍は「約束は8月。間もなくクリスマスだ。期限は過ぎている」と言うと、野田は「小学校で通知表を持って帰ったとき、成績が下がっていたので、親父に怒られると思いました。が、親父はなぜか頭をなでてくれた。(通知表には)正直の上にバカがつくと書いてありました」と、これがジャブだった。

   声を張り上げて、「何としても1票の格差と定数削減を今国会中に実現する。約束していただければ、きょう『近い将来』を具体的に提示させていただく」と、ここまではある程度予想されていたけれど、続いて「『近いうち』にウソはありません。特例公債法案、1票の格差と定数是正、これを早期に成立させると安倍総裁の確約をいただくなら、私は今週末の16日に解散をしてもいいと思ってます」といった。

   「私たちはすでに選挙公約で約束してます」という安倍に、野田は「協力してやりましょうよ。後ろに区切りを付けて結論を出そう。16日に解散します。やりましょう」。これに安倍は「約束ですね、約束ですね、よろしいですね、よろしいですね。国民に委ねましょう。どちらが政権にふさわしいか」と慌てぶりがありありと見えた。野田はさらに追い討ち。「覚悟のない自民党に政権は戻さない。その覚悟でわれわれもがんばります」。これで勝負あった。先手をとった気合いだ。それが必勝となるのかどうか。

   そして、12月4日公示、16日投票が決まった。 自民の石破幹事長は「協力する」。哀れをとどめたのは民主党の解散反対派だ。輿石幹事長は「総理の専権事項だからいいんじゃないですか」と平静を装ったが、「総理から16日と聞いていたか」と聞かれると「あんたにいう必要はない」。鳩山由紀夫元首相は「ご自身の、あるいは党執行部のみの発想。党がどうであろうと、国民がどうであろうとおかまいなし」。TPP反対の山田正彦元農水相は「これでは民主党の中では戦えない」。離党する議員が出るとの観測につながる。 小沢鋭仁元環境相は日本維新の会への鞍替えを発表したが、さて当選の見通しはあるのか。

   その維新の会の橋下徹代表は「人生1回こっきりの大勝負。全ての力を出し尽くします」。みんなの党の渡辺喜美代表は「受けて立つ」。太陽の党と減税日本は合併にこぎ着けたが、政策でみるとバラバラだ。第3極といえるまでになっていない。ここらが野田の狙い目だったのか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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