民主党内に年内解散・総選挙反対の嵐が吹き荒れている。野田首相が「近いうちに信を問う」と明言したのを承知で9月の代表選でえらんだはずなのに、今度は「野田降ろし」というのだから呆れる。
輿石幹事長「解散すれば政権を失う。金魚はきれいな水でしか泳げない」
13日(2012年11月)の衆院予算委員会で、野田は「近いうちにご飯を食べようという話ではありませんから、きちっと政治判断をしなければなりません」と答弁した。いよいよ年内解散・総選挙の腹を固めたかのような印象を受けたが、民主党内の反発も加速させたようだ。
赤松広隆元農水相は「みんな一緒。何を考えているのだと…」と言い、輿石幹事長も「今の状況で解散すれば完全に政権を失う。金魚はきれいな水でしか泳げない。水槽から飛び出せば死んでしまう」と、どじょう首相にあてこする。中山義活衆院議員は「そんなこと(年内解散・総選挙) を強引にやる総理は代わってもらいたい。そうしないと、この党はもたない」と野田降ろしまで口にする始末だ。党の常任幹事会でも、菅前首相や藤井元財務相などベテラン議員からも年内解散反対ののろしが上がった。
衆院定数是正で時間稼ぎか
野田が解散の条件としていた赤字国債発行のための特例公債法案成立や社会保障と税の一体改革のための国民会議設置などはようやくメドがついてきた。ところが、14日に予定していた1票の格差是正のための選挙制度改革の法案提出が遅れる可能性が出てきたという。民主党が年内解散引き延ばしの道具に使うつもりらしい。
逢坂ユリ(資産コンサルタント)「国民はもう民主党は代わって欲しいという気持ち。3年間なにをやっていたのかということですよ」
弁護士の若狭勝(元東京地検特捜部副部長)「自分が勝つとか負けるとかを国会議員が考えだすと、国民へ目が向かない。全部、内々になるそれで国会議員はいいのか」
ただ、菅改造内閣で総務大臣の経験を持つ片山善博ゅ慶応大教授は「解散はよほどのことがないとやってはいけない。本当は任期を全うさせるべきだ」とする。
司会のみのもんた「この党内の亀裂はどうなりなすかね」
若狭「亀裂は最後までいくでしょう。あとは総理がどう決断するか…」
消費増税法案の成立の見返りに「近いうちに信を問う」という約束をしたときはダンマリだったのに、「年内解散反対」とは何を今さらといいたくなる。それとも政党交付金欲しさのさもしい根性で引きのばしを図るつもりなのか。