神奈川県逗子市でデザイナーの三好梨絵さん(33) が元交際相手に殺害された事件で、男がかつて脅迫容疑で逮捕された際、逗子署の署員が逮捕状の執行やその後の取り調べで、結婚後の姓(三好)や住所の一部を知らせていたことがわかった。男はこれをもとに住所を割り出し、犯行に及んだと見られる。
去年秋に「執行猶予付き有罪」犯行再開なのに…
三好さんを殺害した小堤英統容疑者(40)は犯行後に首を吊って自殺しているが、犯行の前日の5日(2012年11月)、三好さんの住所を探偵社から得ていた。小堤はそれ以前から、ネットの相談サイトなどで「昔お世話になった三好さんの住所を教えて」「探偵社はどうやって探すのか」などと尋ねていた。団地の案内板にも「三好」の名前は載っていた。
2人は2004年ころバドミントンで知り合い交際していたが、1年半後に別れた。三好さんは08年に結婚し、新しい姓(三好)も住所も知らせなかった。ところが、結婚を知った小堤は変わっていなかったメールアドレスに「殺してやる」などのメールを送りつけ、11年6月に脅迫容疑で逮捕・起訴され執行猶予つきの有罪になった。
三好さんはこのとき警察に、新しい姓や住所を小堤に知らせないようにと頼んでいたが、 逮捕した警官は逮捕状の「被疑事実の要旨」に記載されていた被害者の住所・氏名を読み上げてしまった。「読み上げ」は刑事訴訟法201条の手続きだが、その後の調べの段階でも姓や住所を示したことがあったという。
三好さんの相談にのっていたカウンセラーの女性は、「頭に来るといってましたよ。電話で私が彼女のことを『三好さん』というと、『旧姓で呼んで』といってたくらい注意してましたから」という。
逗子署はこれについてね「刑事手続き上は問題ない。旧姓にできた可能性はあったかもしれない」といまだ責任を感じていない。