少子高齢化、財政難といった日本にあって、大学はどうあるべきなのか。子供の数に対して、大学の数が多すぎることは明らかなようだが、番組コメンテイターのなかには、多様な教育の確保、新陳代謝(既存大学の既得権益化の防止)などの観点から、大学市場における「自由と競争」の意義を訴える向きもある。
どんどん作ってどんどん潰せ?学生にツケ回し
大学の事前審査を厳しくしろといっても、「ここはダメだろうと思われた大学が意外に上手くいったり、商売のようになにが売れるかは意外にわからない」(飯田泰之・エコノミスト)という面もある。
だったら、入り口は最大限広くしておき、誰でも何でも1度やらせてみて、お上は運営をしっかり監視することに専心し、ダメな企業は市場から退場してもらえばよい――というのがひと昔前に大流行した考え方である。
しかし一方には、「モノ(を売るの)と違って、(大学が潰れれば)子供たちの将来設計に相当な狂いが生じるわけで、その子たちをどうするか」(作家・吉永みち子)といった問題がある。どんどん大学を作らせ、どんどん退場させるのはいいが、その際に学生らに大きな影響が生じるし、投入された税金も返っては来ないのである。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト