兵庫県尼崎市の連続変死事件できのう7日(2012年11月)、新たな展開があった。主犯格とされる角田美代子容疑者(64)を含め、内縁の夫の鄭頼太郎(62)、次男の優太郎容疑者(25)ら8人が逮捕されたのだ。美代子の義妹の夫の弟、橋本次郎さん(当時53)の遺体をコンクリート詰めにして岡山県の海に捨てたという死体遺棄容疑である。
兵庫県警が異例の公開「新たな情報提供や被害の申告につながる可能性」
兵庫県警はこの発表と合わせて、美代子の顔写真を報道機関に提供した。ちょうど1年前の昨年11月に撮影されたものだ。美代子の写真については、多くの新聞やテレビがまったく無関係の他人の写真を間違えて報道した。県警は写真提供について、新たな情報提供や被害の申告につながる可能性があることや、報道被害を受けた女性の名誉回復も考慮したという。
公表された写真は、間違われた和服の女性とは似ても似つかぬ顔付きだ。肩まで伸びた茶色の長い髪、両方の頬がやや垂れ下がり、目はくぼみ、やつれた感じで、陰気な印象を受ける。しっかり者のように見えた和服の女性の写真と見比べれば明らかに他人だ。美代子を知る人は「3年前にあった時はもっと覇気があった。疲れ切った顔をしていますね」と話している。報道機関では複数の人に確認したと釈明していたが、なぜ、間違えたか、不思議に思われるほどだ。
その美代子にも母親の一面があった。今回逮捕された優太郎を美代子は特別に可愛がっていたという。優太郎の小学校の同級生だった子どもの母親が語る。
「優太郎かわいいでしょ、かわいいでしょと。だから写真もいっぱい飾っていましたよ、部屋の中に。激愛ですね。偏った溺愛。優太郎君はアイドルにするので、プロダクションみたいなところにはいっているといっていました」
たしかに、写真を見ると、優太郎は長めの髪を後ろに束ね、片えくぼの、まだあどけなさの残る表情で写っている。だが、母親には絶対服従だったといい、アイドルへの道が叶うことはなかった。
「殺人で立件できるかどうか」衰弱放置していれば殺意あり
鄭や優太郎ら新たに逮捕された4人は、尼崎市内の美代子のマンションで共同生活を送っていた。警察への事情聴取には協力しており、それが今回の逮捕につながった。今後は殺人容疑での立件を視野に解明が進むことなる。
司会の加藤浩次「殺人容疑に切り替えるにはどういうことが必要になってきますか」
弁護士の本村健太郎「自宅のマンションに監禁して衰弱して死亡してしまった。こういう場合、最低でも監禁致死、あるいは傷害致死にはなりますが、それと殺人との違いは、殺意があったかどうかです。衰弱していく過程を監視し、当然死亡すると思いながら放置したとすれば、殺意が認められる可能性は十分あります」
加藤「相当難しいですそうですね」
本村「食事を与えないとか、衰弱していく過程の状況がわかってくれば立件は不可能ではないと思います」
捜査にはまだまだ大きな山がありそうだ。