日本でもすでに900万人が利用しているといわれるツイッターは、災害時や危険を知らせる情報の広がりの早さは実証済みだが、同時にさまざまなトラブルに発展する危うさもある。「とくダネ!」が実例を集めた。
ソフトバンク孫正義社長「ハリケーン見舞いも公表控えるべきなのかなあ…」
大手衣料通販「ZOZOTOWN」がこの1日(2012年11月)から打ち出した「配送料無料」が思わぬトラブルになった。発端は利用客の1人のつぶやきだった。「1050円なくせに送料手数料入れたら1750円とか、まじ詐欺やろ~ ゾゾタウン」。これにZOZOTOWNの前澤友作社長(36)が出した反論がいただけなかった。
「詐欺? ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらして宅配会社の人が運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と、注文しなくていいわ」
たちまち「自惚れ過ぎたな」「口の利き方も常識も堪え性もないやつに、社長ができたことに驚き」などと反論の嵐となった。ツイッターが炎上して、前澤社長が謝罪に追い込まれる事態になった。専門家とやらが登場して、「苦情・クレームと失言の両方。代表の発言だから止めにくい」 と解説した。フーン。
アメリカ東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」の被害に、ソフトバンクの孫正義社長がツイッターで、「お見舞い申し上げます。当社は米赤十字に50万ドル寄付いたします」 と書いたら、「寄付まで商いに利用するな」などの書き込みがあった。孫社長も「今後は公表を控えるべきなのかな」とめげた様子だった。
炎上は芸能界でもある。長谷川理恵は先月ブログでやられたが、批判などものともしないのが橋下徹大阪市長だ。会見だけではなく、ツイッターでも過激だ。女性スキャンダルが週刊誌に出た時は、女性記者が「論戦にうかがいます。スチュワーデスっぽい格好がいいですか」と書いたのに対し、「おー、来い来い。どんだけあんたは自信過剰なんだ。絶対着て来いよ」。最終的に記者が謝罪することになった。
橋下流は炎上しないのか。専門家は「炎上しているという認識でいますね。利用・許容しながら自分が不利になるまでの許容量を把握している。支持者やファンがいるので炎上も鎮火しやすい」という。なるほど、だれにでもできるわけじゃないか。 司会の小倉智昭は「橋下さんはバランス感覚がいいんで、やり方がうまいのかも」とにが笑いだ。
狙われる「失言」「情報漏れ」「誹謗・中傷」「なりすまし」「苦情・クレーム」
田中大貴レポーターが炎上パターンを並べて見せた。(1) 失言(2)情報漏れ(3)誹謗・中傷(4)なりすまし(5)苦情・クレーム。竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集主幹)は「ゾゾタウンだって、口調はともかく、言ってることは間違ってない。むしろ、本音のコミュニケーションが一定の責任をもって行なわれるという意味では、従来のネットよりツイッターの方が健全じゃないか」という。問題は「一定の責任」というやつだろう。
宋美玄(産婦人科医)「リプライといって、だれからでも話しかけられる。変な人から罵倒されたりもある。それにカッとなって書くと大変なことになるので、無視しようと思ってます」
田中は「書き込んだとたんに、あなた自身もメディアなんですよといわれました。公人だけではなく、一般人も巻き込まれる」として、女子大生の何気ない書き込みが誹謗・中傷から就職妨害にまでなった例も示した。田中が「新しいネットの心得4か条」なるものを出した。(1)ネットに流れたものは消えない(2)個人はほぼ確実に特定される(3) 写真の写り込みに注意(4)周囲にはネットユーザーがいる。
小倉「局アナはやらないんでしょう?」
笠井信輔キャスター「原則やらない。批判が来ると傷つくから」
竹田「常識的にやっていれば問題にならない。むしろプラスがある。本音がわかる。他では得られないものがわかることもあります」
宋「医療相談など啓蒙には有効でしょう。なるべく冷静に…」
竹田「落ち着いて批判してくれるのも自分にとってはプラスになる。炎上するのもひとつの楽しみ」(笑い)