田中真紀子文科相は来春開校を予定していた札幌保健医療大学(札幌市)、愛知・岡崎女子大学(岡崎市)、秋田公立美術大学(秋田市)の3校の新設を不認可にした。「量より質」というのが理由だが、文科省の指導を受けて建物の増設、教授の採用などの基準をクリアし、大学設置・学校法人審議会からも「開設していい」と答申を受けていた。
ところが、田中は「大学が多過ぎるし質も低下している。今後の大学設置認可のありようについて、将来のために全体的に抜本的に見直しをするということを決めた」と話している。
鬼の首取ったような安倍自民党総裁「異常な行動をする人」
たしかに、大学は多過ぎるという人は少なくない。しかし、これでは順序が滅茶苦茶で、一番迷惑するのはこれらの大学へ進学しようと準備してきた学生や高校生だろう。当然、大学関係者も怒り心頭だ。
「これは審査制度の自己否定に繋がる。暴挙だ」(秋田公立美術大の樋田豊次郎学長)、「まかり通る理不尽さは承服できかねるし、憤りを感じる」(岡崎女子大の長柄孝彦理事長)。
審議会の委員の一人でジャーナリストの柴崎信三氏は、「制度をどうするかの議論が最初。審査内容に直接関係のない3大学だけを不認可にするのは合理性を欠いた判断だ」という。 スタジオにいた自民党の安倍総裁は、「田中真紀子さんとは一緒に仕事したことがありますが、異常な行動をする滅茶苦茶な人ですね。彼女と仕事をした人で褒めた人は一人も見たことがない。
たとえば、アメリカの9・11テロの時に彼女は小泉内閣の外務大臣で、私は官房副長官でしたが、米国務省が極秘に避難先を教えてくれた。それを真紀子さんはテレビの前で世界に向け言ってしまった。まだ第2のテロがあるかもしれないのに、国務省はビックリですよ。
そういうタイプの人で、ウソは平気で言う人だし、日々言うことが違う。秘書官をやった人はくたくたですよ」
3大学の関係者が7日(2012年11月)にも文科省を訪れ不認可の撤回を求めるという。自民党も予算委員会で追及する構えだ。事と次第によっては辞任という事態も…。