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角田美代子の実弟「グリコ森永事件・キツネ目の男」?兵庫県警も聴取

   尼崎の連続殺人事件はまだ全容解明には至らないが、文春と新潮が、希代の鬼女・角田美代子(64)には5歳下の実弟がおり、彼も「修羅の道」を歩んだと書いている。弟は角田ではなく、父方の姓を名乗る月岡靖憲(59)。執拗に相手を追い込んでいくやり口は尋常ではなかったようである。

   彼は07年1月、被害総額3億円を超える恐喝事件の容疑者として大阪地検特捜部に逮捕され、懲役14年の実刑判決を受けて服役中である。その彼に「兵庫県警がある意図を持って靖憲を事情聴取したのは、九○年代初めのことだった」そうだ。

   未解決のまま時効を迎えた警察庁広域重要指定一一四号事件、通称「グリコ森永事件」の犯人ではないかとの疑いをかけられたのだ。当時を知る兵庫県警関係者が打ち明ける。

「月岡が引っ張られた理由は二つ。顔つきが『キツネ目の男』に近いこと。もう一つが、確かに『ビデオの男』に似ているという点だったが、あのビデオの映像は顔がしっかりと確認できず、正確には、月岡はビデオの男と肩のラインがそっくりだった」

   彼もその後、複数の報道関係者の取材に応じ「グリ森犯」と疑われた事実を打ち明けているそうだ。

   角田美代子の周りの人間にもさまざまなドラマがあるようだ。この事件は各誌書いているように、戦後の数多くの事件の中でも特筆されるものだと思うが、意外なことに、けさ(11月1日)の朝日新聞を見ていて気がついた。「兵庫県尼崎市の連続変死事件をめぐり、事件と関係のない女性の写真が角田美代子被告(64)の写真として複数のメディアで報道された」という記事である。

「今回、複数のメディアが美代子被告として報道した女性の顔写真は、美代子被告の親族が通っていた学校の式典で、1993年春に撮影されたものだ。複数の新聞や通信社、テレビ局は10月20日前後から、この写真を「美代子被告」として掲載、放映した。
   しかし30日夜になって事態は急転する。事件とは無関係の50代女性が『この写真は私』と名乗り出た」(朝日新聞)

   あわてた多くの新聞、テレビ、週刊誌はお詫びをしているが、中で現代は「今回の事件については報じていない」と答えているのである。 あれれと思って何冊か見てみたが、たしかに現代はこの事件をほとんど報じていないようである。なぜ、これほど面白い事件を報じないのか。そのほうに興味がわいた。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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