日々、ワイドショーで見たこと聞いたことを吹聴してると、たびたび自戒の念にかられることになる。誤字・脱字で頭を抱えるというのは日常茶飯事だが、もう少し細かく込み入った「間違い」もある。
たとえば、番組の情報の「空白」部分を、自分の思い込みで解釈して埋めてしまうといった「伝言ゲーム」を無意識のうちにやってしまう。また、番組でわからなかったことを他の報道を参照して埋めたら、そっちが間違っていた(それは番組がたまたま良心的で、あえて言わなかったことなのかもしれない)ということもあった。
もちろん、番組がハナから間違ってることだってある。そういうわけで、この欄にしても、なにやらもっともらしく、さも「ニュース」のような体裁で書くことはできるが、そこには上記のような危うさを常に含んでいることを忘れてはいけないんである。
とくに、この度の「尼崎連続変死事件」は情報がいろいろと錯綜していて、じつに危険だ。けさ31日(2012年10月)の「モーニングバード!」では岡山県備前市の漁港で遺体入りと見られるドラム缶が見つかったことが報じられたが、その締めくくりには赤江珠緒キャスターが神妙な面持ちで曰く、「お詫びがあります」
一連の不審な事件の中心にいるとされる被告のものとして、一時これでもかとばかり番組で流れた「和服姿の女性の顔写真」は、被告とは別人だったのである。
筆者的には不幸中の幸いというか、写真の外見の印象などを垂れ流していなかったため、今回ばかりはなんとか頭を抱えずにすんだところではある。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト