尼崎市の連続怪死事件報道で頻繁に使われていた角田美代子被告(64)の顔写真が、事件とは無関係の別の女性だったことが明らかになった。「朝ズバッ!」では、午前6時からの「朝ズバッニュース」コーナーで小林悠アナが事件の関連ニュースを伝えたあとで、「訂正とお詫びです」と前置きしこう謝罪した。
「JNNがこれまで角田美代子被告として放送した写真は、事件とは関係のない別の方であることがわかりました。訂正してお詫び申しあげます」
これまで報道された美代子の写真は目だけ出した車内後部座席に座っている写真と正面から撮られた恰幅いい顔写真の2枚だけ。取り違えたのは正面から撮られた顔写真だ。「朝ズバッ!」では説明がなかったが、この顔写真は共同通信社が配信したようだ。
読売新聞や読売テレビ見てびっくり!「あれ私だ」
写真取り違えを報じた朝日新聞によると、使われた顔写真は尼崎市内の50代の女性のもので、女性がある式典に参加した際の記念写真という。女性は23日付(2012年10月)の読売新聞やその後の読売テレビの番組を見て、自分の写真が使われていることに気づいた。女性は「普段の生活ができず、憤りを感じている」と話しているという。
この顔写真は頻繁にテレビでも使われ、自ら手を下さない狡猾で残酷な殺人鬼のイメージがこの写真に焼き付いていただけに、わずか1回だけの謝罪とは簡単すぎる。司会のみのもんたもコメンテーターもひと言も触れずじまいだった。
犯罪史上に残る奇々怪々な事件の主犯格の顔写真だけに、人権問題に発展しかねない。なぜ取り違えたのかをもう少し丁寧に説明すべきだったと思う。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト