まあ、聞いたことがない話だ。横浜市教育委員会が小中学校の通知表を事前に保護者に配布して、記載された評価や事実を確認してもらうことを決めた。生徒も「なんで親に? 成績は先生が決めるもんでしょ」というが、保護者は「うちの子の方がテストの結果がよかったのに4で、なんであの子は5なんだとか、多分そういうのが出てくるんだと思う」という。なにっ、他の子の成績がわかるのか?
教育委員会「誤記載なくすため」…出席日数、観点評価、成績が対象
市教委は7月(2012年)、市内506の小中学校にこれを指示した。市教委は昨年の10月ごろに出席日数などの入力ミスによる誤記載が相次いで発覚したためだという。しかし、確認は成績、出席日数だけでなく、「意欲」「理解」などの観点評価も対象になっている。市教委は「事前に示すことで、評価、評定の説明責任を果たす」のだという。
街の声を聞いてみると、「誤記はあとで訂正すればいいじゃないか」「間違ってるとだれが判断するの」「百歩譲っても出席日数くらい。やる気なんて先生が判断することですよ」
保護者はどうか。「出席日数では(確認が)あるけど、内容についてはないですよ」「全然知らない。聞いたこともない」「学校に預けてるわけですから、評価も学校に責任もってもらいたい」
ただ、誤記載があった学校の校長は「正確性を期すには、いいとはいわないまでも、やむをえない。最終的にこの方法しかなかったのかな」という。
司会の小倉智昭「正確性を期すのは別に横浜だけじゃないでしょう」
田中大貴レポーター「通知表の説明責任を果たしたいというのです」
菊川怜キャスター「説明責任の意味がわからない」
訂正の対象になるのは出席日数と成績、観点別評価だ。小倉が「成績も?」と大声を出した。そう、5段階とかのアレだ。観点別評価というのは生徒の「関心・意欲・態度」「思考・判断」などを、ABCや ○△などで評価するもの。それらを総合して成績のランクが決まる。
待ってましたの「モンスターペアレンツ」クレーム殺到必至
市教委は事前確認の方法も、保護者からの訂正要望への対応も「学校長の判断」によるとしている。成績のクレームは受け付けないといっているというのだが、教育評論家の尾木直樹氏は「真偽を保護者に委ねることであり、責任放棄だ」という。
竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集主幹)「観点別評価についての神奈川県教委からの指示が複雑だったみたいですね。 ひょっとしたら、自分たちではコントロールしきれないというのかも。親に見せるというのは責任の放棄です」
菊川「親は子どもの授業態度を見れないですよね」
竹田「他の子どもとの評価もできない」
笠井信輔キャスター「成績のクレームは受け付けないというが、今の親たちの現状を見れば、先生たちは危機感を持ってますよ。なぜという問い合わせが山のように来る」
小倉「モンスターペアレンツだっているわけでしょう。なんでうちのは…ンナローみたいのが出てきたら、学校だってびびる」
笠井は「推薦が得られるかどうかで、3を4にしてというのが絶対に出る。試験の点数はいいのに評価が悪いので、聞いたら『間違いでした』というのがあるんです」と妙に詳しい。
小倉は「なんでこうなるのか、いまだにわからない」
教育を先生に任せちゃダメってことか。外交は外務省ではダメ。政治は政治家に任せちゃダ メ。日本はどこへ行く?