街中で遊ぶ子供の姿が少ない。放課後、親が家に居ないため学童保育に通う子供は10年前の1・6倍の84万人もいるという。共働きが70万世帯増、一人親も57万世帯増というのが原因のひとつだ。
送迎、夕食付きで月9万円
政府や自治体の学童保育の取り組みは遅れていて、待機児童が50万人もいる。子どもが幼稚園までは保育所に預けて働いていた母親が、1年生になった途端に預けるところがなく、仕事を辞めざるをえないというようなケースが増えている。「1年生の壁」だ。
そもそも学童保育の設置は各自治体の「努力義務」とされ、保育所のような実施義務ではない。白梅学園大学の汐見稔幸学長は「学校から帰ってきたら、子どもは近所で友達と遊んでいるのが当たり前と考えられてきたからです」と説明した。そこで、子どもを預かるサービスを始めた民間企業なども出てきた。
民間の鉄道会社が運営する学童クラブは、小学校の玄関先にマイクロバスを横付けして子供たちを施設まで運ぶ。保育時間は夜7時までだが、延長で10時まで可能で、夕食も出してくれ、帰りは自宅までバスの送迎付きだ。料金は週5日のレギュラーで月45000円、1時間延長に夕食代が3万7800円、送迎代が7000円。合計8万9800円になる。
有働由美子キャスター「この金額では子供を通わせられない人はいますよね」
学校が預かる「放課後キッズクラブ」にも難しい課題
原泰介アナ「学校の放課後を学童保育にするシステムが少しずつでき始めています」
厚労省と文部科学省が予算を出して行政が運営する「放課後キッズクラブ」だ。横浜市の中丸小学校では保険料500円で夕方5時まで学校にいることができ親が帰宅が遅い学童は月づき5000円で夜7時まで預かる。
ただ、こうしたクラブは横浜市の344校中82校しか実施されていない。市の放課後児童育成課の池田一彦課長は「40人学級から35人学級に変わって教室の空がなくなっているんです。困っています」と、広がらない理由を話す。汐見稔幸学長は「子供たちを守ろうという機運が高まらないとダメです。大人みんなの責任ですから」と力説した。
(磯G)