きょう29日(2012年10月)から臨時国会が始まる。 ようやくの感だが、新聞各紙はそれよりもきのう行なわれた衆院鹿児島3区補選の自民勝利の話だ。民主党の影はますます薄くなっている。そんな中、政治を引きずり回しているのは石原慎太郎東京都知事だ。
「原発、消費税はささいな問題」
田中真紀子文部科学相は「暴走老人」と切り捨てた(面白い)が、政界は否応なく石原と向き合わざるを得ない。維新との距離、みんなの党との距離、立ち上がれ日本でも石原節が理解できない人がいる。
司会の小倉智昭「都政と国政では全然違うと思うんですが、日本の政治家は分けて考えてないんですかね」
夏野剛(慶応大学大学院特別招聘教授)「知事というのはかなり権限も集中するし、自分のやりたいことが明確にある人は知事の方がやりたいことができる」
小倉「石原さんは国というカベがあるから国の政治に戻るといってますよね」
夏野「お年もあるし、元気なうちに日本を変えたいというのかな」
小倉「原発、消費税はささいな問題というので、オーッと思いました」
これが目下の焦点だ。政策で一致しないと連携はできないというのが永田町の大方だが、石原は「新しい大連合」をつくって、政策はあとから議論すればいいという。「たちあがれ日本」との話し合いのあとでも、「視点が狭い」なんていっていた。
脳科学者の中野信子が面白いことをいった。「モスコビッチの実験というのがあるんです。青いスライドを見せておいて、緑だ、緑だといっていると、 緑かなと思っちゃう(笑い)。石原さんはそれがすごく上手な人なので、沈滞した政治にぶちあげたのかなと」
この週末でコロリ変わった中小政党
笠井信輔キャスターは「その実験、金土日と意見が変わっている」という。みんなの党との間も微妙に変わった。金曜日には「消費増税容認ならお話にならない」 といっていた渡辺喜美代表が、きのうは「小異を捨てる」となった。フジテレビの番組で「基本政策、政治理念の一致が大事だといってる」「小異は捨てられる」「当然です」と。
日本維新の会の松野頼久・国会議員団代表も「(石原と)一緒にできると思う。全部ではないが、方向性が」。たちあがれ日本の園田博之・幹事長は「違いを乗り越えて戦わないと政界再編はできない」と話す。3人並んでニコニコ。おやおやである。たしかに、永田町には「理屈はあとから貨車でついてくる」という言い方がある。
夏野「既存政党への不信を突こうという戦略だから今しかない、小異を捨てて大同につくとみんな思ったんじゃないか。これがリーダーシップかもしれない」
小倉「民主党だって寄り合い所帯だった。票は取ったが、結果、リーダーシップをとる人がいなかった。石原さんだとイメージが違ってくる」
中野「新しい感じがしますよね」
小倉「それが日本のためにいいことなのかどうか」
日本人がこぞって強いリーダーを望んだときが危ない。やばい選択になるとどこまで見極められるか