年に1度のお祭り、プロ野球のドラフト会議がきのう25日(2012年10月)に行なわれた。金の卵の奪い合いはいつも波乱がつきものだが、さて今年はどうだったか。最古参の王貞治・ソフトバンク球団会長は「年の功でいくしかないな」といっていたが、 見事、東浜巨投手(亜大)を引き当てて満面の笑み。敗れたDeNAの中畑監督と西武の渡辺監督がガックリ。いつもの光景だ。
日ハム強行指名の大谷翔平「アメリカでやりたい気持ちは変わらない」
今年は投手の年だった。春夏の甲子園を連覇した藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、東都リーグで三振記録を作った東浜巨、大リーグ挑戦を明らかにした大谷翔平(岩手・花巻東)、1年間浪人していた菅野智之(東海大)、森雄大(東福岡)などがいた。
注目の藤浪は4球団競合を阪神の和田監督がくじ引きで引き当てた。阪神は過去12回連続で1回目の抽選を外していた。「当たるとは思わなかった」はまさに本音だろう。楽天が森雄大、福谷浩司(慶大)。抽選を外したのがDeNA、ヤクルト、ロッテ、西武。2度外したのがオリックス、広島と明暗を分けた。
指名は獲得したものの、冴えない表情だったのが日本ハムの栗山監督だ。160キロ右腕の大谷を強行指名したのだが、大谷はすでに大リーグの道を選んでいた。指名にも「ありがたいが、アメリカでやりたい気持ちは変わらない」。監督もまた「本当に申しわけない。そういう思いがある」と話す。日ハムは昨年も、巨人入りを希望していた菅野を引き当てたが拒否され、菅野は浪人していた。その菅野はめでたく巨人の単独指名になった。原監督の甥で、浪人は「苦しかったがきょうで全て報われた」とニコニコしている。
まかり通る「巨人行きたい」「メジャー行きたい」
司会の小倉智昭「かつて選手が希望球団を逆指名というのがあって、問題があるとしてやめた。でも、大谷君がメジャーに行きたいとか、巨人じゃなくちゃ嫌だというのが出てくるということは、今のドラフト制度を見直さないといけないんじゃないの。1年待ったら希望の球団に行けるんだったら、待ちますという選手が出てくる」
田中大貴レポーターが「くじ引きの意味がなくなりますね」とスポーツ紙の1面記事を紹介した。スポーツ報知、スポーツニッポン、サンケイスポーツの菅野の写真は、驚いたことに、すでに背番号19と名前がはいった巨人のユニフォームを着て、原監督と笑顔のツーショットだ。「普通ならあいさつのはずが入団会見だった」と田中。小倉が目をギョロつかせて不満を露にする。
デイリーはもちろん阪神の藤浪だ。東京中日スポーツは中日の福谷。慶大野球部出身の田中は「私の後輩ですので、名古屋の方、どうぞよろしく」なんて言っている。日刊スポーツだけが大谷だった。田中は「スカウト陣は大谷投手を日参しているそうです」
小倉は「ゼネラル・マネージャーが陣頭指揮なんだって? でもドラフトというのもね、どう 思いますか。アメリカから来たもんだけど」と聞くが、ショーン・マクアードル川上(ビジネスコンサルタント)は「アメリカという選択肢が入って、選手のレベルも上がってるんでしょうね」と答えになってない。
小倉「ボクはセ・リーグとパ・リーグで1チームづつ作って、メジャーに加入しろっていってるんだけど」(大笑い)