悪意や犯罪ばかりじゃないソフトと見分けられるか?
さて、これはいかにも2ちゃんねるらしい出来事だろうか。匿名掲示板といえば、とかく悪意や犯罪と結びつく印象だが、2ちゃんねるの目立たぬ所には、ボランティア的な善意で成り立つ空間も散見される。問題のスレッドも、その趣旨は善良そうである。
広い世の中には、面倒な作業をやってくれたり、優れた機能を持った無料のソフトなどが人知れず存在している。「こんな機能を持ったソフトはない?」と気軽に聞けば、どこかの誰かが自分の知らない優れたソフトを紹介してくれる。ときには、どこかの誰かが自分の欲しい機能を持ったアプリケーションをあらたに作成してくれる、なんてこともあるのかもしれない。
そうした、ある意味2ちゃん的ではない夢のような空間が、テレビキャスターがいかにも2ちゃん的だと眉をひそめる犯罪の小道具として悪用されてしまった。なんとも皮肉で、残念な話ではある。やっぱり、悪意に満ちた唾棄すべき匿名掲示板の書き込みを安易に信用してはいけなかったのだ。
ボンド柳生
*NHKクローズアップ現代(2012年10月23日放送「仕組まれた罠(わな)~PC遠隔操作の闇~」)