「天変地異といえども予知責任は免れない」
こんな驚きの判決がイタリアで出された。司会のみのもんたが「エ~と思ったのはこれなんですよ」と朝日新聞(2012年10月23日付)1面に掲載された記事を取り上げた。
「大地震の予兆の根拠ない。安心して家にいて」で死者309人
2009年4月にイタリア中部のラクイラで起きた地震では309人が死亡した。ラクイラ地裁は22日、当時、安全宣言を出し、過失致死罪に問われていた地震学者や政府関係者7人に禁固6年の実刑判決を言い渡した。
記事によると、被告たちはマグネチュード6・3の地震が発生する直前の「高リスク検討会」に出席した7人で、「大地震がないとは断定できない」としつつも、弱いながらも頻発していた群発地震について「大地震を予兆とする根拠はない」とし、政府防災局のデベルナルディニス副長官は「安心して家にいていい」と発言していた。
日本でも多額の予算使って「当たったことなし」
判決では「『大地震発生の可能性は低い』という報告が被害を拡大させた」として、禁固4年の求刑を上回る重い判決となった。
スポーツプロデューサーの三屋裕子は「これからは勇気を持った意見が出なくなっちゃいますよね」と言う。歌人で作家の田中章義は「さすが禁固6年はすごいと思うが、日本の地震の防災予知にかけている予算はものすごい。専門家の方も『ここまで予算をかけるのならもっと精度を上げなくては』という人もいるので、より精度の上げるためにも切磋琢磨の手法がまだまだ必要と思う」という。
刑事責任はともかく、そのうえで大きな地震が起きた場合は、事前の予知が妥当だったか、防災方法、起きたあとの避難が適切だったか、バラバラではなく組織的にきちっと検証することは必要だろう。