オープニングで天気の話をしていた羽鳥慎一キャスターが、「そんななか、ちょっと心配なのがクライマックシリーズ」と急に話題を変えた。「一茂さん、ジャイアンツが勝てませんな」と、番組コメンテイターの長嶋一茂に話をふるためである。
天気に続いて、説明もなしにいきなり「クライマックス」「ジャイアンツ」が出てくると少々奇異な感じではある。もはや野球は世間話のタネとして、天気に次ぐような、誰にでも通じる存在ではない。この頃の番組を見ても、男子サッカー日本代表の親善試合が大きく取り上げられることはあっても、プロ野球の「クライマックス」が話題になることはほぼない。MLB、ドラフトなどもどこ吹く風である。
ジャイアンツファン望みの綱は「1勝分のアドバンテージ」
ただ、毎週金曜日のオープニングだけは、日本テレビから移籍してきたアナウンサー(かつて野球中継も担当していたという)と引退間際に巨人OBの称号を手にした元プロ野球選手という野球好きで、読売巨人人脈の2人が野球の話に花を咲かせられる時間となっているのである。そのほかのコメンテイターはあまり関心がなさそうで、話に入ってこない。
ところで、気になる巨人だが、日本シリーズ進出をかけた中日ドラゴンズとの戦いで2連敗。これは4勝したもん勝ちのルールなのだが、巨人はシーズン首位だった関係で1勝分のアドバンテージがあり、実際は1―2の状態なんだそうな。
「まだ大丈夫じゃないですか」と長嶋は言う。「2戦やって、調子のいい選手と悪い選手の仕分け、見極めができた。きょうは調子のいい選手をどんどん使う。きょうから再スタートでやれば、五分って感じじゃないですか」と巨人の巻き返しを予想していた。