「地震予知は本当にできるのか。学会内の意見が二つに分かれました」と赤江珠緒キャスターが伝える。きのう16日(2012年10月)にはじまった日本地震学会の議論が番組で取り上げられた。
予知批判でおなじみのロバート・ゲラー東大大学院教授は、地震予知が「予算獲得の道具になっている」と主張している。地震予知はじつに50年間の歴史があり、予知に成功したことは1度もない。しかし、「モーニングバード!」によれば、今年度も352億円の国の予算が付くなど巨費が投じられてきた。
巨額予算つく研究既得権
今のところ唯一、予知の可能性があるとされるのが東海地震だ。地震の前兆とされる前兆すべりを観測すべく、静岡・愛知に27か所、観測装置を設置している。しかし、すべりがそれ以外の場所で起きることもありうるし、そもそも地震の前に前兆すべりが発生するとも限らない。ゲラー教授は「東海地震の予知も成功する根拠はない」と、まるで似非科学扱いである。
一方、地震学者のなかには「将来的には予知ができる可能性はあり、研究を続けるべきだ」といった主張もあったという。
どのような研究でも研究したければすればいいし、科学の世界では似非科学により進歩した歴史もある。そこに国がお金を出すどうかは、いつもシュリンク衰退財政難国家の大問題である。
コメンテイターの萩谷順・法大教授は「国の予算がつくと、予算を獲得するために研究の重要性を主張する人たちが出てくる。政治がきちんと責任を持って(必要性を)判断するべきだ」と、政治の責任を挙げていた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト