先週末から「iPS細胞移植疑惑」でメディアをかく乱した森口尚史氏(48)がきのう15日(2012年10月)に帰国した。成田空港から東大病院に直行し、学内の聴聞を受けたが、その後の会見には姿を見せず雲隠れした。
空港では、警察官が身辺を固める騒ぎとなり、「関係者に迷惑をかけ申しわけない」と述べたが、心筋移植に関しては「(東大の)調査会に報告した後で説明する。ニューヨークでの説明に矛盾はない」と強気を通した。
千葉・市川の自宅には帰らずどこへ…
東大は午後7時から約3時間にわたって事情を聞いた。東大病院は深夜になって斉藤延人副院長らが会見をしたが、その場に森口の姿はなかった。病院は「森口氏は手術について『証明できる人がこの騒ぎで出て来てくれない』といっている」「辻褄が合わないと感じる部分もある」と詰め切れなかった様子だ。森口が「東大に辞意を伝えた」といっていたことについては、「きちんと説明責任を果たしてから身の処し方を考える」と明確ではなかったという。
病院の説明では、森口は平成22年の「研究補助者」公募で特任研究員に雇用した。論文が6本あり、それ以外にも十分な業績があると判断したという。臓器の凍結保存法の開発などを担当し、待遇は基本給が月約45万円程度、週40時間くらいの勤務だったという。
この夜、市川市の自宅前に報道陣が待ち構えていたが、森口はとうとう姿を見せなかった。司会の小倉智昭は「きのうの空港は大変だったんだって?」と田中良幸レポーターに聞く。「警察官10人以上が取り囲んでいました。空港職員が『レディー・ガガだってこんなにはならなかった』といっていた」
内閣府、厚労省、文科省も研究助成金の使途調査
話は心筋移植手術が本当にあったのかどうかとハーバード大の客員講師という肩書きだが、森口は「自宅に証拠がある」といっていたが消えてしまった。田中は「東大病院も素直に手術があったとは思っていない」と話す。
司会の小倉智昭「なんか大ウソつきみたいになってるが、実績がないと東大で研究員にはなれないんでしょう?」
田中「論文などをみて判断したのだと説明しています」
産婦人科医で性科学者の宋美玄氏は「あれだけの論文をはったりだけでは書けないと思う。月45万 円というのも結構なものだし、全部が全部ウソというのも…」と首をかしげる。たしかに、論文リストをみても、「ヒトインターフェロン」「慢性C型肝炎」「難治性の肺がん」「初期幹細胞研究」「iPS細胞」とテーマだけでも多岐にわたる。
小倉「もし本当だとしたら、手術が隠し通したい人体実験的なものだったの か」。そいつは怖い。だいいちこの人、医者じゃない。関係大学は森口の論文の精査を始めるという。内閣府、厚労省、文科省も森口が関わった研究助成金の使途などを調査するとしている。
宋「みな共同研究ですから、他の人にはいい迷惑」(笑い)