コーヒーにめざましい病気予防効果があることが最近の調査・研究でわかってきた。「ガンにも、胆石にも、パーキンソン病にも、子宮体ガンや脳卒中、果ては死亡のリスクまでも低下しているという調査結果もあるんです」(山田大樹アナ)
国立国際医療研究センターの野田光彦部長は、「1948年にコーヒーの中の成分クロロゲンが発見され、コーヒーをたくさん飲んでいる人と全く飲んでいない人の糖尿病の発症度を調査したら、コーヒーをたくさん飲んでいた人の方が糖尿病に罹る率が少なかったことがわかり注目されました」と説明する。そのほかの病気でもコーヒー効果は凄い。
1日2杯で死亡リスク10%低下
★大腸がん―岐阜大大学院の永田教授が8年間、35歳以上の岐阜県高山市の3万人を対象に調査したところ、コーヒーを全く飲まない人の大腸がん発症率を1とすると、1日に1杯以上飲む人は男性で0・81、女性は0・43と発症率が半分以下に抑えられていることがわかった。
★肝臓がん―40~69歳の男女9万人の10年間調査で、1日5杯以上飲んでいる人の肝臓がん発症率は、飲んでいない人の4分の1に低下している。(国立がん研究センター調べ)
★胆石―米ハーバード大学医学部の10年間の研究によると、1日2~3杯のコーヒー飲む男性は、胆石の発症率が40%だった。
★脳卒中―1日4杯以上飲む女性は脳卒中の発症率が40%低い。(ハーバード大)
★子宮体がん―国立がん研究所の調査では、1日3杯以上飲む女性は発症が60%減少。
★パーキンソン病―ハワイで30年続けられている疫学調査で、1日にコーヒーを800CC以上飲む人の発症率は5分の1。
★死亡リスク―米国立がん研究所のデータでは、1日2杯以上コーヒーを飲む男性は死亡リスクが10%低く、4~5杯飲む女性は16%低かった。「日本でも1989年から10年間、5000人以上を調査したら、コーヒーを1日2杯以上飲んでいる人は飲まない人に比べて死亡リスクが半分に低下していたという結果もあります」(野田光彦部長)
ただ、これらはあくまでも疫学調査の結果で、コーヒー含まれる何がこうした効果を生むのかはわかっていない。「調べてみたらこうだったという段階です」(山田大樹アナ)。コーヒーは赤ワイン並みにポリフェノールが含まれていることがわかっているが、はたして病気予防にポリフェノールが効いているのか、カフェインが効くのか、さらに未知の成分が働いているのか、これからの研究だ。
(磯G)