「森口さんより山中教授のことを知りたいですね」と番組コメンテイターの前田典子(モデル)が苦笑する。かのノーベル賞受賞ともなると、通常ワイドショーでは連日連日、何日も飽きるほど、いやとうに飽きても受賞者のあれこれ及び配偶者の内助の功が伝えられることになっている。しかし、今回ばかりは様子が違う。iPSでノーベル賞の山中教授は、初のiPS臨床を行ったと主張し続ける研究者、森口尚史氏に完全に主役の座を奪われてしまった。
「日本帰国後にあらためて証拠出します」あくまでも手術実施と主張
日本帰国前に米国で行われた記者会見で、森口は手術数や日時の説明を変えながら、のらりくらりと、あくでも1例は治療をしたと主張した。ウソを認めて涙の平謝りをするだろうといった報道陣の期待は見事に裏切られたのである。
相変わらず治療を行った証拠は何一つないが、帰国後に何らかの証拠を出すとしているため、まだ完全にウソと決めるわけにもいかないというのが、「モーニングバード!」のスタンスらしく、羽鳥慎一キャスターなどは森口の「研究」に何かネガティブなことを言うたびに「もし(森口の話が)全部ウソだったらですけど…」といった「但し」を入れていた。
アパート大家に名乗ってた「東大教授」
さても気になるのはご近所評である。森口は周囲に話好きとの印象を与えていたようだ。なんでもアパートの大家には東大助教授や東大教授を名乗っていた。コンビニでは店員に自分の研究について滔々と話し、山中教授がノーベル賞を受賞した後は、自分もノーベル賞をもらえる可能性があったと語っていたという。漫画雑誌をよく買っていたそうだ。また、アメリカに行くので新聞が買えないといって、10月11日、12日の読売新聞の取り置きを頼んでいた。11日の読売新聞は、森口がiPS心筋移植を行ったと一面で大々的に伝えている。帰国後、この新聞を取りに行ったかどうかは、ほどなくテレビで判明するだろう。