「森口さんより山中教授のことを知りたいですね」と番組コメンテイターの前田典子(モデル)が苦笑する。かのノーベル賞受賞ともなると、通常ワイドショーでは連日連日、何日も飽きるほど、いやとうに飽きても受賞者のあれこれ及び配偶者の内助の功が伝えられることになっている。しかし、今回ばかりは様子が違う。iPSでノーベル賞の山中教授は、初のiPS臨床を行ったと主張し続ける研究者、森口尚史氏に完全に主役の座を奪われてしまった。
「日本帰国後にあらためて証拠出します」あくまでも手術実施と主張
日本帰国前に米国で行われた記者会見で、森口は手術数や日時の説明を変えながら、のらりくらりと、あくでも1例は治療をしたと主張した。ウソを認めて涙の平謝りをするだろうといった報道陣の期待は見事に裏切られたのである。
相変わらず治療を行った証拠は何一つないが、帰国後に何らかの証拠を出すとしているため、まだ完全にウソと決めるわけにもいかないというのが、「モーニングバード!」のスタンスらしく、羽鳥慎一キャスターなどは森口の「研究」に何かネガティブなことを言うたびに「もし(森口の話が)全部ウソだったらですけど…」といった「但し」を入れていた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト