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「芸能界のドン」に睨まれた小林幸子「レコーディングスタジオも借りられない!」

   「週刊文春」が「小林幸子号泣インタビュー」をやっている。事件の発端は、「週刊新潮」が4月12日号で報じた小林の個人事務所「幸子プロモーション」元社長・関根良江と元専務・沢田鈴子の解任だった。33年にわたって幸子を支えてきた関根社長や沢田専務が、昨年結婚した小林の夫・林明男に経営に口を出された揚げ句、小林に切り捨てられたと批判し、泥沼の騒動になった。 当然ながらこのインタビューで小林はその多くを否定している。

「幸子プロの内情を知る小林の知人によれば、会社の経理は不明朗なものだった。『小林は世間知らずで実務のことはまったく分からず、今までは経理を仕切る沢田さんと関根さんの二人で自由に回してきました。そこに、夫の林さんが介入したことが、彼女たちにはおもしろくなかったのです』」

   小林の知らないところで甘い汁を吸っていたのだろう。ここまではよくある芸能界の身内の内紛だが、それが新曲の吹き込みさえもできなくなったというのは穏やかでない。関根は、この騒動が起きる前に音楽業界に絶大な権力をもつ『芸能界のドン』のもとに駆け込み、小林の和解申し込みもドンの意向で断られたというのである。6月15日にやっと関根側と和解するが、このことが報じられると関根側から「全面和解ではない」と再び声があがる。

   追い詰められた中で、芸能界の孤児になった小林を救ったのが「兄貴」と慕うさだまさしだった。さだが新曲の作詞・作曲を引き受けてくれたが、小林の名前ではスタジオさえも借りれず、新曲のレコーディングは別の歌手の名前を借りて極秘裏にやったという。そこまでドンに睨まれると、なにもできないものなのだろうか。そうだとしたら、そここそが問題だと思うが、文春はそれ以上追及していない。

   新曲は「茨の道」。歌には「耐えて 耐えて 耐えて 生きて 生きて 生きて」という詩が入る。

   小林幸子側のいい分をほとんどそのまま載せているのは、それがインタビューに答える際の条件だったのだろうか。タイトルといい歌詞といい、今回のスキャンダルに便乗しているように思えるが、したたかな彼女だから、それも計算済みなのだろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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