野田首相はきのう11日(2012年10月)、自民党の安倍総裁と初めて会談して、「臨時国会の召集」の意向を明らかにし、その前に党首会談も申し入れ安倍も応じた。しかし、国会召集の時期については、またも「しかるべきときに」とはっきりさせず、たったの5分の会談だった。
自民党「特例公債法案」人質に衆院解散戦略
国会内の一室で向かい合った二人は一見にこやかにフラッシュを浴び、トップ同士、幹事長同士で握手を交わしたが、政局にはうんざりの国民をよそに、特例公債法案と解散のかけひきが本格化する。
野田首相は1日、「このままでは財布が空っぽになり、国民生活に悪影響が出る事態も避けられない」と特例公債法案の成立を訴えた。今年度予算90.3兆円のうち、38.3兆円 が赤字国債だ。特例公債法案はこの赤字国債発行を認めるもの。税収などの46兆円は12月には残り2兆円になる見込みで、法案が通らないと国政だけでなく地方行政までがストップする。
しかし、自民党は法案成立には解散の確約がほしいという。新内閣は野党の追及ネタが満載で、臨時国会で袋だたきにあうのは必至だ。政府としては、法案成立のメドが立たない限り、国会は開けない。そこを首相は「開く」といった。会談後、自民党の石破幹事長は「党首会談は週明け」と言うのに対して、民主党の輿石幹事長は「急ぐ必要はない」と消極的だ。
臨時国会でボコボコにされるのが怖い野田民主
司会の小倉智昭「野田さんの『しかるべき時に』って何なんですか。あんな握手なんかしているときじゃない」
時事通信の田崎史郎・解説委員も「1日も早く国会を開いて、いま場外乱闘をやってるが、国会の中でやってもらわないと」
小倉「なんで開けないんですか」
田﨑「与党が開こうとしないから。ただ開いたら、ボコボコにされるだけ」
田中大貴アナが「といっても、もう10月の半ばですよ。特例公債法案が通らないと、年末には2兆円しか残らないというひん死の状態になる」と影響する項目を並べた。公立病院、福祉サービス、年金、農家の生活、公務員給与、自衛隊・海保の活動などなど。とにかく、国家予算の4割が動かなくなるのだ。なぜか国会議員の歳費はあとでも…とはならないらしいが。
小倉「安倍自民党総裁はこの法案を人質に解散をさせようというわけだね」
田中「年内解散が協力条件だといっている」
田﨑「国会召集の条件にはしていないが、審議が進むなかで条件にしてくる。だから早く開けばいいんですよ」
ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)「特例公債法案は本来は予算と一体だから、予算が成立したときに承認されてしかるべきもの。それが菅総理のときは『一定のメド』で政争の具になった。今回は『しかるべき時』だ」
深澤真紀(コラムニスト)も「こんな大事なものを人質にして、いい加減にしてほしい」
小倉「震災対策予算も妙な使われ方をしている」
田﨑「沖縄の道路とか税務署の建物とかね。民主党は政権とったら緩くなったのが不思議。解散しないといけない」
小倉「今月末って、まだ12日ですよ。『しかるべき時』の解散っていつなんです?」(大笑い)