携帯電話情報の漏洩で、電話会社の関係者らが立て続けにお縄になった。探偵や情報屋といわれる闇のネットワークがあるらしいと「直撃御免」コーナーで切り込んだ。
携帯電話販売店の元店員というのが「携帯の契約情報が10万円とか1万円とかで売れるとか聞いたことがある」という。思わず「ホントかよ」といいたくなる。しかし本当らしい。情報屋から探偵業者に送られて来た「料金表」というのがあった。携帯電話なら、名義人・ 住所でいくら、生年月日までならいくらと並んでいて、docomo、au、softbankと会社別になっている。同様に、一般電話、戸籍、銀行口座、車両情報と金額が表示してある。そして、通常なら1万8500円、急ぎだとdocomo 5万3000円、au 3万2000円、softbank 4万5000円となっている。現にこうした流れで逮捕者が出ている。
「名前、住所、電話番号、生年月日、契約内容」1件1万円で売ってたau女性店員
今年6月(2012年)に、ソフトバンクショップの元店長が契約者の電話番号などを漏洩したとして逮捕された。7月にはドコモでも派遣社員が逮捕され、9月にはau販売店の女性店員が逮捕された。3社のシェアは95%、契約台数はおよそ1億2000万台になるから、日本中が丸裸みたいなものだ。
逮捕されたauの女性店員は5年間に約1000件近くを流していたという。情報にアクセスできるのは「認められた人間だけ」で、静脈認証が必要というが、その店では店員3人が全員アクセスできた。それはそうだろう。アクセスできないと、機種の変更などの客のニーズを処理できない。元店員も「アクセスできないと商売にならない」という。名前、住所、電話番号、生年月日、契約内容が1発でわかる。女性店員は探偵社に1件1万円で流していたとされる。つまり1000万円近いということだ。
その探偵社は閉まっていたが、表の料金表には、浮気・素行調査2万6000円、家出人探し9万8000円、盗聴器発見2万円などと並んで、電話番号調査4万5000円とあった。1万円で入手なら3万5000円の儲けということになる。だが、まだ先があった。この探偵社は3万2000円で愛知県の情報屋にこれを売っていたのだ。訪ねてみるとマンションの一室だった。 表札は空白で応答もない。マンションの住人は「2人いた。サラリーマン風だった」という。この情報屋は先月(2012年9月)、愛知県警に摘発されたが、押収資料によると5年間に12億7000万円も荒稼ぎしていたという。
情報屋のソース「警察官、運輸局、ハローワーク、司法書士・行政書士」まで…
情報屋とは何者か。ある探偵業者は「われわれの間ではデータ屋といって、ファクスを送ってくる」と話し、見せられたのが前出の料金表だった。こうして買った情報を別の探偵社に転売するのだという。「とくダネ!」はリストの情報屋と連絡をとったが、「フジテレビですが」と言った途端に電話を切られ、そのうち通じなくなった。
愛知県警の調べでは、情報源は広範囲に及んだ。犯罪情報は警察官から、車なら運輸局から、ハローワークもあれば、戸籍関係だと司法書士、行政書士までがかかわっていた。闇のネットワークである。
司会の小倉智昭「私の個人情報なんて全部もれてるだろうと思ってますよ」
取材した榎並大二郎レポーターも「こわいなと思いました。銀行口座の明細まで調べられてしまう」という。
小倉「やたら個人情報を求められるでしょう。個人の認証で、名前、生年月日を答えたら、『あの小倉さんですか』といわれたことがある。それは全部見えてるってことだよね」(大笑い)
禁酒法とアル・カポネじゃないが、隠すからカネになる。しかしオープンにはできない。嫌な時代になったものだ。