救急車は来てくれなかった!通報の大学生「9日後に遺体発見」―タクシーで行け

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   緊急性がないのに救急車を頼もうとする「非常識」通報――といったものは、朝の情報番組ではおなじみの槍玉である。しかし、けさ10日(2012年10月)のケースはその反対だ。

   昨年10月、山形市の大学生が一人暮らしの自宅から体調が悪いと救急通報したが、その際のやりとりで緊急性がないと判断され、タクシーで病院に行くことを勧められた。大学生はその9日後に自宅で遺体となって見つかった。死亡時刻は通報の翌日頃で、検死の結果は「病死の疑い」とのこと。正確な死因はわかっていないようだ。

嘔吐、不調訴えても「歩けるの」「自分で動けるの」…まるで誘導尋問

   大学生の親は市が救急車を出動させなかったことには過失があるとして、損害賠償を求めて提訴した。市側は手続きにのっとった適切な対応だったとしている。「モーニングバード!」によると、山形市の救急出動は、意識があるか、呼吸があるか、1人で歩けるか、出血はあるか、嘔吐はあるか、打撲・腫瘍・骨折の6項目から、緊急性を「総合的に判断」する。

   スタジオでは、その判断材料となる通報の音声記録が流れた。大学生が具合が悪い、嘔吐したなどと「体調が悪い」ことを訴えるのに対して、消防職員が「歩けるの?」「自分で動けるの?」「救急車じゃなくてタクシーとかで(病院に)行きますか?」とたたみかけるように話しかける。大学生は弱々しげに「はい」「はい」と応じ、「(病院へは)タクシーの番号がわかればいけると思います」と答えた。

   出演者からは「なにか誘導尋問のなかで、(大学生が)たいしたことはないと納得させられてしまったような感じがある」(萩谷順・法政大教授)など、やりとりへの違和感や、救急車は出動すべきだったといった意見が相次いだ。

   医学博士の中原英臣氏は問題のやりとりについて、「呼吸が荒い、会話が噛み合ってない、意識が鮮明でない」として、「適切な対応でなかった。すぐ向かうべき」とコメントした。

文   ボンド柳生
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