原爆5000基分のプルトニウム10万年管理―誰がやるのかできるのか
2つ目の矛盾は、旧安全基準のまま再稼働させている大飯原発3、4号機をどうするのか。新たな安全基準づくりを進めている規制委は、旧安全基準の一つとしてきたストレステストを再稼働の要件に入れないという。
大飯原発3、4号機の再稼働に疑問を呈してきた元経産官僚の古賀茂明は、「これからはちゃんとした安全基準を作り、きちんと審査をしたうえで判断しなくてはいけないと言っているので、大飯原発は規制委の立場から安全だとはいえないと言っているのと同じだ」と矛盾を指摘している。
3つ目の矛盾は新たな原発の建設。12基の原発の新増設が計画されていたが、このうち9基ついては枝野経産相は「立地自治体に対し十分に配慮し、調整したうえで止めていくことを決めていく」としている。しかし、残る3基の原発は建設を容認だ。このうち、年内にも工事が再開されると見られている青森県・大間原発は、完成すれば2050年代まで稼働が可能で、「30年代原発ゼロ」の政策方針と明らかに矛盾している。
大間原発では、使用済み核燃料を再処理し取り出したプルトニウムとウランを混合したMOX燃料を使用することになっている。日本は平和利用以外にプルトニウムを使用できない。そこで、核燃料サイクル計画としてこのMOX燃料を使用するわけだが、すでに45トンものプルトニウムが取り出されている。
コメンテーターの松原耕二(TBS解説委員)「原爆5000発分に相当するプルトニウムを持っているということです。それを10万年にわたり安全に管理しなければ人体に影響しないレベルまで落とせない」
10万年とは想像を越える時間だ。やはりどこかで歯止めをかけないと必ずどこかで破たん出る。司会のみのもんたは「(その時は)日本沈没です」とボソリ…。