現場の「海水注入やります」に「原子炉が腐っちゃう。なるべく真水で」と本店
吉田「2号機の海水注入ラインはまだ生きていない。これを生かすにはかなりの勇気が必要だけど、ここはもうジジイの決死隊で行こうかと相談している」
本店スタッフ「自衛隊に頼んでさ、火器バネルでぶっ飛ばしてもらえば?海側から」
本店幹部「それ考えたんだけど、下に大事なものがいっぱいあるんだよ」
本店スタッフ「どのみち吹っ飛ぶぜ」
本店幹部「いや、下は吹き飛ばない」
命をかけようという現場とサジを投げたような本店。
吉田所長は海水注入を準備していた。
吉田「海水からやりますよ」
本店「海水だと(原子炉の)材料が腐っちゃう。もったいないので、なるべく粘って真水を待つ選択肢も」
吉田「いまから真水はないです。時間が遅れる。真水ならあとで使えるということでしょ」
本店「そういうことです」
菅首相が「計画停電」を了承したとき、最初の3月14日の停電は実施されなかった。その舞台裏では…
本店「官房長官と福山官房副長官と蓮舫需給対策大臣かな、その3人からですね、人工呼吸器、人工心肺、これを家庭で使っている人をお前は殺すことになる、それを承知で実施するなら、殺人罪に問うぞといわれました。だから午前中はやらない」「記者会見なんかやったら大変なことになる」
さらに14日の3号機の爆発で混乱は広がったが、2号機はさらに危機的な状態だったが、1号機の爆発で建屋が壊れ、水素が逃げたために助かった。それを聞いて安堵する声。まったく僥倖だったのだ。
司会の小倉智昭「そのとき何があったのかが、やり取りをくっつけるとよくわかる」
田中大貴アナ「6時間の映像を見ると、本店は官邸の要求を現地に丸投げ。本店が責任をとるという場面はなかった」
竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集主幹)「当事者能力を失っている。原子炉の損害を心配して海水注入をためらうというのは、優先順位を間違えている。人災なんだなと思う。これでは再稼働を簡単に判断してはいけない」
キャスターの菊川怜「天秤にかけてはいけないものを」
竹田「お金を優先してた」
3月16日以降の650時間分も公表する段取りだが、どう要約されるか。肝心な所を隠すことだってできる。 事故が起こって1年半経ってこれである。世界が信用するはずがあるまい。